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感染が広がる新型コロナウイルス…わが身を守るには? 拡大を防ぐには?
国内各地で感染が拡大する新型コロナウイルス。刻々と状況が変わる中、拡大をどう防ぐのか、私たちはどう身を守ればよいのか、専門家と徹底討論しました。(司会・右松健太キャスター、久野静香アナウンサー)
【ゲスト】
国光あやの(くにみつ・あやの) 自民党衆議院議員。医師。元厚労技官で新型インフルエンザ対策など担当
尾身茂(おみ・しげる) 地域医療機能推進機構(JCHO)理事長。元WHO 西太平洋地域事務局。SARS制圧で陣頭指揮
早川智(はやかわ・さとし) 日本大学医学部教授。日本産婦人科感染症学会副理事長。専門は微生物学、感染症学を研究
国内感染拡大をどう防ぐか
右松 きのう(13日)国内初の死者が出た新型コロナウイルス、国内各地で感染が拡大しています。読売新聞の飯塚恵子編集委員にもトークに加わっていただきます。
飯塚 国内で急に感染者が全国にふえているということで、どのように感染したのかがわからないのが不安です。
右松 そうですね。国内での感染拡大をどう防ぐのか、そして私たちはどう自分の身を守るのか、専門家の皆さんに伺います。
国光 今までは水際でいかに国内に入ることを封じ込めるかということを一生懸命する時期でしたけれども、もう感染がここまで、しかも中国と関係ない履歴で広がっている患者さんもいらっしゃいます。ですので、国内での感染の拡大をいかに防ぐかという時期に完全に変わっていると思います。
尾身 報告の数がどんどんふえているということも重要ですけれども、感染のリンクがわかりづらくなっているということが極めて重要だと思います。
早川 今の時点でどういった経路で感染したかということを幾ら調べてもあまり意味がない。それよりも、その患者さんの中で重症の方、特に非常にひどい呼吸不全とか、そういったことで命にかかわる方、あるいはほかに合併症があって治療しなきゃいけない方をいかに救命していくかということに医療資源を割くことを考えなければいけないと思います。
右松 沖縄のタクシー運転手の女性、この方は2月1日にダイヤモンド・プリンセスが那覇に寄港した際にお客さんを乗せたということですが、きょうは2月14日です。それより2週間たっているという状況です。
国光 やはりどこでどのようになって今回感染に至ったかというのは完全に追い切れないような状況にもなっているのかなと思います。そこをしっかり追求することも大事ですが、例えば今回感染されている方が軽症なのか、中症なのか、重症なのか。何とか重症者と死亡者をふやさないということを一番のゴールにして対策を組んでいくことに何よりも注力する時期に入っていると思います。
飯塚 チャーター便で帰ってきた方が経過観察後に発症しています。もうオーケーだなと思った後に発症している。そういうケースは今後も考えられるのでしょうか。
尾身 それはあると思いますね。和歌山とか千葉では一体どうしてこの感染が広がったのか、いわゆる感染の鎖、チェーンのトランスミッションがわからない。感染の経路が見えないような静かな感染が既に起きているという認識がこれからの対策を打っていく上でも極めて重要です。
飯塚 それは二次感染、三次感染が起きているということでしょうか。
尾身 見えている現象だけをもとに政策を打っていくとどうしても対応がおくれるので、見えている背後に一体何が起きているのかということを公衆衛生学的に今までの知見や常識をもとにある程度推測して対応することが極めて重要になってきます。
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