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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

花粉症にも効く、鼻うがいとツボ押し 鼻呼吸で「人生が変わった」

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 花粉症のシーズンです。今年は花粉の飛散量は少ないと予想されていますが、マスクにメガネ、空気清浄器など、対策に余念がない人も多いことでしょう。さらには新型コロナウイルスの影響で、マスクの品薄も心配です。

舌下免疫療法は治療に2年以上かかる

花粉症にも効く、鼻うがいとツボ押し 鼻呼吸で「人生が変わった」

 花粉症の治療は、抗アレルギー剤が主体ですが、舌下免疫療法といって、わざとスギやダニなどの抗原を体内に入れて、免疫の寛容(症状緩和)を引き出すという治療もあります。約8割の人に効果があると言われますが、治療期間が2年以上かかります。それでも、長年の悩みから解放されればうれしいものです。

 また最近では、アレルギーを起こす免疫物質であるIgE抗体を阻害する注射薬も発売されていますが、なんと薬代だけで1か月の自己負担額が最高5万円ほどかかります(3割負担)。

 家計を圧迫する医療費を抑えるべく、今回の「上流医療」も前回に引き続き、鼻づまりを解消する手軽なセルフケアです。

鼻うがいは入り口近くをすすぐ程度で

 まずは、鼻うがいを紹介します。

 鼻は微粒子をこし取る機能に優れており、鼻の中だけでほとんどの花粉をこしていると言われています。口呼吸では、この機能がありませんから、汚れた空気をそのまま肺に送り込んでしまうのです。なんと、鼻は自動洗浄機能まで持っているのですが、黄砂、PM2.5やマイクロプラスチックなどの微粒子も飛び交う現状では、鼻に負担をかけ過ぎないよう、小さなゴミやチリを定期的に洗い流すことも大切です。

 鼻うがいは、商品化されたキットを使うのが安全でお勧めです。中耳炎を引き起す可能性があるからと、推奨しない医師もいるようですが、今回の方法なら大丈夫!

 鼻は空気の出入り口、外気に一番近い鼻の穴の近くが一番汚れます。このあたりだけ鼻うがいして、奥まで洗浄液を入れなくてもよい場合もあります。鼻の入り口をすすぐ程度です。

 200ccのぬるま湯(人肌程度)に塩2グラムを入れ、よくかき混ぜます、これが洗浄液です(蒸留水でなくてもよいのですが、水道水そのままや冷温水でやってはいけません)。慣れないうちは、「あー」と声を出しながら洗浄液を鼻に入れていきます。痛くありませんし、お子さんにもできますよ。鼻の穴から少し奥に入る程度で大丈夫です。

 慣れてきたら、片方の鼻から入れて片方の鼻から出るようにすると、さらに鼻の奥の汚れが取れます。ただ、やり過ぎは鼻水中のムチンなどの大切な保湿成分まで洗い流してしまいますから、1日2回程度までにしておきます。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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