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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

「健口」で健康(8)定期的なチェック 重要

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 このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)

「健口」で健康(8)定期的なチェック 重要

 20世紀の歯科は「削る・詰める」治療が主流でした。21世紀には「防ぐ・守る」予防歯科が普及し、子どものむし歯が劇的に減り、高齢者の歯もたくさん残るようになりました。

 予防は転ばぬ先の つえ 。患者さんがつまずく前に、歯と歯ぐきの健康を守る杖を持たせるのが予防歯科の役目です。そのためにも、かかりつけの歯科医をもち、定期的に通うことが重要です。

 プラーク( 歯垢しこう )は時間とともに病原性が高まります。自分で歯磨きするだけでは磨き残しができてしまうため、プロによる定期的なクリーニングが大切。さらに、フッ素で歯を丈夫にします。むし歯も初期なら削らずに、フッ素による再石灰化で治します。

 歯の定期的な管理は、口臭予防や 口腔こうくう がんの早期発見にも役立ちます。大がかりな治療は不要で、かかる時間も短く、治療費も安い。いいことずくめです。

 けれど、「かかりつけの歯科医を定期受診すれば、むし歯と歯周病は完全に予防できる」と安心しないでください。予防の杖があっても転ぶ人はいます。理由は二つ。生まれつき転びやすい人がいること、人は必ず老いること、です。中高年が手間とお金をかけて健康維持にいそしんでも、老いは人を転倒させます。エステに通っても年相応の老け顔がやってくるように。

 予防歯科は、患者さんと歯科医との二人三脚といえます。「通院しているから私は大丈夫」と安心している人には、「一流の塾に入れば、全員が東大に行けますか?」と逆に聞くこともあります。「健口」の維持は、ご本人の心がけが「一丁目一番地」なのです。

【略歴】
 天野 敦雄(あまの あつお)
 大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。

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