街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
「障害」の原因はどこにある?…駅のホームで考えた
情報伝達の手段が偏っていないか
車いすを使っている人だけではありません。視覚に障害のある人が駅を利用する場合には、「電車の行き先や時間などの掲示情報が分からない」「タッチパネル式の券売機やロッカーが使いにくい」などの困難がありますが、社会モデルの視点に立てば、その原因は、視覚に障害があることではなく、「案内される情報が視覚中心となっていること」にあるわけです。
また、聴覚に障害のある人が、「ホームや車内でのアナウンスの内容が分からない」「電車の発車ベルが分からない」のは、聴覚に障害があるからではなく、「情報が音声でしか伝えられていないから」ということになります。
バリアの除去は一人ひとりの責任
障害の社会モデルの理解は、東京パラリンピック開催に向け、私たちに求められている「 心のバリアフリー 」においても、重要な柱の一つと言えます。段差のような物理的バリアのみならず、情報手段が偏っている情報のバリア、少数派にとって不便なルールや決まり、障害のある人に対する偏見などもなくし、誰もが共に尊重し合って生活していく社会を作ることは、事業者だけではなく、国民一人ひとりに求められているのです。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。
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