文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ウェルネスとーく

医療・健康・介護のコラム

[元全日本女子バレーボール代表 高橋みゆきさん](上)「ニッポンの元気印」をやり切り、「もう卒業!」と思ったことも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 2000年代、バレーボール女子日本代表の中心選手として、チームに欠かせない存在だった高橋みゆきさん。2度の五輪出場に加え、世界最高峰のイタリア・リーグにも挑戦し、しっかりと期待に応える結果を出し続けました。大型選手がひしめくコートの中、小柄な体をフルに使った思い切りのいいプレー姿は、今でもファンの目に焼き付いています。(聞き手・染谷一、撮影・中山博敬)

世界と戦うため、小柄な自分に必要だったこと

[元全日本女子バレーボール代表 高橋みゆきさん](上)「ニッポンの元気印」をやり切り、「もう卒業!」と思ったことも

――2012年の現役引退から8年。その間に結婚と出産を経験されました。体調は変わりましたか?

 子どもが生まれる前は、一人で走ったり、ジムに行ったり。現役のときと違って、だれかに言われてやるわけではないので、楽しんでやっていました。子どもが生まれてからは、まったく運動らしい運動をやっていないんで、最近はちょっとやばいかな……。

――現役時代よりやせましたよね。

 やせました。ストレスないから(笑)。

――逆じゃないですか? ストレスがあるほうがやせそう。

 現役時代は、朝昼晩と、毎食、思い切り食べていましたが、今はおなかがすいたら食べるぐらいのパターンになりました。

――健康のためにしていることはありますか?

 今は、子育てが中心の生活なので、自分の健康を考えることは少ないかもしれません。時間があるときに走りに行くぐらいです。むしろ、自分のことよりも、子どもが食べるもののことばかりを考えちゃいます。味が濃すぎないようにとか、野菜を増やそうとか。きっと自分もつられて、自然と健康にいいものを口にしているように思います。

――では、健康懸念なし?

 運動不足が気になっているぐらいです。現役時代との落差があまりにも大きいので、これから少し変えていかなくちゃな、と思っています。

――やはり、現役時代の練習は厳しかった?

id=20200217-027-OYTEI50010,rev=2,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 きつかったです。とくに日本代表に入ると、専属のトレーナーがついて、すべて言われた通りにやらなければなりません。バレーボールは、ポジションごとに使う筋肉が違います。アタッカーの人がレシーバーと同じトレーニングをしていてはダメだし、その逆も同じ。たとえばレシーバーには、高く飛ぶための筋力なんかは必要ありませんよね。自分に必要なトレーニングがわかるようになるまでは、ある程度、強制されてやることも仕方ありませんでした。

――ポジションはレフトが主だったけど、ライトをやったこともありますよね。

 はい。基本はレフトですが、ライトもやりました。でも、実は、レフトもライトも変わりないんですよ(笑)。

――え、そうなんですか!

 やれば、なんとかなる(笑)。空中でボールをとらえる位置が少し違ったりはするんですが、練習でできるようになります。この身長(170センチ)ですから、どこでもこなせるようにならないと生き残れなかった。

――確かに、レシーブも得意だったし、サーブも強力でした。センターやセッター以外はなんでもこなす、オールラウンダーでしたよね。

 どれも世界と戦っていくために必要でした。

――身長の制約があるので、すべて自分を生かすためだった。

 そうです、そうです。身長が低いのだから、いろいろなことができて、さらに技術も磨いていかないといけませんでしたから。

バレー選手は道具を使うスポーツが苦手(笑)

――バレーを始めたのは、小学生時代。地元のスポーツ少年団でした。

 はい。父が監督をやっていたので、兄について行って、バレーを始めました。最初は隅っこでボール遊びをやっているような感じでしたが、小学3年生からは、週4回、バレーの練習でした。

――最初から楽しいと思いました?

 楽しかったですね。でも、父が監督だったので、かえって練習が厳しくて。自分の子どもには、むしろ甘くできなかったのでしょうね。もう、顔にバンバンとボールが飛んでくるし、毎日のように鼻血を出していました。すごいスパルタで、外の砂利の上で練習させられたり。もう、漫画の世界です(笑)。それでも、練習は楽しくて、休みたいと思ったことはありませんでした。

――現役時代、体が大きくない反面、基本的な運動能力の高さが目立っていました。きっと、そのころに、サッカーをやっても、ソフトボールをやっても、うまくいったんじゃない?

 あ、それ、私も思いました(笑)。でも、実は道具を使うスポーツが苦手なんです。テニスとか、野球とか、ゴルフとか……。きっと、レスリングや柔道などをやっていたら、強くなっていたと思いますよ、私(笑)。

 でも、バレー選手は、みんな道具を使うスポーツが苦手なんです。チームメートと一緒にテニスをやったことがあるんですが、みんな、すごくへたくそなの(笑)。加減がわからない。大爆笑のテニスになっちゃいました。引退後には、ゴルフもやってみたんですが、クラブとボールが全然当たらない(笑)。速攻でやめました。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

wellnnesstalk1-200

ウェルネスとーく

 あの人が、いつも生き生きしているのはなぜだろう。

 健康、子育て、加齢、介護、生きがい…人生の様々なテーマに向き合っているのは、著名人も同じ。メディアでおなじみの人たちが、元気の秘密について語ります。

ウェルネスとーくの一覧を見る

最新記事