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気象予報士ママの「健康注意報」 新見千雅

医療・健康・介護のコラム

ノロウイルスに注意…感染予防に必要なこと、感染したときの消毒液の作り方

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ノロウイルスが流行する季節

ノロウイルスに注意…感染予防に必要なこと、感染したときの消毒液の作り方

「ママやパパが確認するまで、トイレのお水を流すのをちょっと待ってね」(提供・日本気象協会)

 冬はノロウイルスに注意が必要な季節ですね。

 ノロウイルスは一年を通して発生していますが、なぜ冬は流行しやすいのでしょう。ウイルスは、生体外で生存する期間が長くなるほど、感染が広がりやすくなります。

 ノロウイルスの生体外の生存期間は、気温が低いほど長くなり、最低でも1週間は生存します。この時期に流行するインフルエンザウイルスの生体外の生存期間が、約1日であることを考えると、ノロウイルスの強い生命力がうかがえます。また、冬の乾燥した空気はウイルスが浮遊しやすくなります。

ノロウイルスの感染経路、症状

 発症に必要なウイルスの数は、感染症によって違います。多くの食中毒のウイルスは増殖してから発症しますが、ノロウイルスは非常に感染力が強いため、ウイルスが体内に入るだけで感染が成立すると考えてもよいでしょう。保育園、幼稚園、小学校などの集団生活では、子ども同士の触れ合いが多いのは 微笑(ほほえ) ましいですが、感染症が広がりやすく、よく話題になります。そんなノロウイルスは、基本的には経口感染しますが、その経路は、食中毒、接触感染、 飛沫(ひまつ) 感染、 塵埃(じんあい) 感染の四つがあります。

〈1〉ノロウイルスを保有する生や加熱不十分な 牡蠣(かき) などの二枚貝を食べた時などの食中毒
〈2〉ノロウイルス感染者の 嘔吐(おうと) 物や便に触れることからの接触感染
〈3〉嘔吐物や便が飛び散ることからの飛沫感染
〈4〉嘔吐物や便が付着したものが乾燥して、浮遊したウイルスを吸い込むことによる塵埃感染

 どんなに予防に気を付けていても感染してしまうことがあるので、家庭内でもケアできるように、症状を知っておきましょう。

 ノロウイルスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、1~2日です。

 感染すると小腸でウイルスが増殖し、激しい吐き気と嘔吐、下痢、腹痛、37度から38度の軽度の発熱など、感染性胃腸炎の症状がでます。これらの症状は2~3日で回復することがほとんどです。ただ、便からのノロウイルスの排出期間はとても長く、感染してから2週間ほど、長い時は1か月も続くことがあります。

 我が家でも、子どもが急な嘔吐や下痢症状を起こしたことがあります。また、子どもには症状がなく、私だけ胃腸炎になることもありました。あまりのつらさに、二度とかかりたくないと思うほどでした。どちらの時も、数分前まで元気だったのに、何の前触れもなく突然症状が表れました。

 そして、第2子の妊娠中に、2歳の第1子が胃腸炎で体調を崩したことがありました。子どもを看病しながら、自身への感染を予防するのは、とくに気を使いました。ママがノロウイルスに感染しても、胎児への直接の影響はありません。しかし、育児中は休めないことが多く、回復に時間がかかってしまうためです。身近に、援助をお願いできるパパや他の家族がいない時は本当につらいです。家事や掃除は後回しにできても、子どものご飯やおむつ交換などの排せつの援助をやらないわけにはいきません。非常に感染力が強いため、子どもとママが同時に体調を崩す可能性もあります。ぐずる子どもに抱っこを求められても、思うように体が動かず、なだめるだけで精いっぱいになってしまい、お互いに体力、気力ともに消耗することもありました。

 ノロウイルスに感染した経験のある人は、身を守る大切さを改めて感じることが多いようです。

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気象予報士ママの「健康注意報」

新見 千雅(にいみ ちか)
日本気象協会 気象予報士

 呼吸器、透析分野で看護師として勤務した後、気象会社で原稿の作成やラジオ番組を担当。現在は、日本気象協会と株式会社JMDCが進めている、気象データとレセプト(医療報酬の明細書)データを使って、様々な疾患の発症・重症化リスクに関する情報を提供するサービス「Health Weather(R)(ヘルスウェザー)」プロジェクトに参加している。
 2児の母として、妊娠・出産・育児にまつわる天気のコラムを執筆中。


鈴木 孝太(すずき こうた)
愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授

 1974年、東京都生まれ。2000年、山梨医科大学医学部卒。2005年、山梨医科大学大学院医学研究科修了(博士(医学))。2011年 、University of Sydney Master of Public Health (MPH) Coursework修了。山梨大学医学部助手、助教、特任准教授、准教授を経て、2016年から現職。専門分野は周産期から小児期にかけての疫学、産業保健、ヘルスプロモーション。
 最近は、「Health Weather(R)」と共同で、気象と健康に関する研究を実施している。



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