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気象予報士ママの「健康注意報」 新見千雅

医療・健康・介護のコラム

ノロウイルスに注意…感染予防に必要なこと、感染したときの消毒液の作り方

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ノロウイルスの感染予防に必要なこと…感染予防、感染したときの消毒液の作り方

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写真はイメージ

 まず、食事からの経口感染を防ぐ必要があります。

 牡蠣は栄養がとても豊富で、妊娠初期に特に重要な葉酸も含まれています。とてもおいしいのですが、やはり妊娠中は生で食べるのは避けた方がよいでしょう。

 また、接触感染を防ぐために、普段から手を清潔に保つことが大切です。

 特にトイレの後や外から家に帰ってきた時は、しっかりと、せっけんで手洗いして汚れを落として、その後に消毒すると効果的でしょう。

 従来、ノロウイルスに対してアルコール消毒は効果がないと言われてきましたが、最近では、濃度が高く酸性にしたアルコールには一定の消毒効果が期待できるともいわれています。ただし、アルコールに対して抵抗性が高いことは間違いないので、有効性を示す製品を選択し、正しい使用法で使うことが重要です。

 また、身近な人が感染してしまった時の接触感染の予防のために、消毒液とバケツ、手袋、マスク、ペーパータオルも事前に用意しておくと、いざという時に役立ちます。

 ノロウイルスの消毒には、哺乳瓶の消毒液や食器用の漂白剤に含まれている次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。

 安価で購入しやすく、汚染されたシーツや洋服など、家庭内で広範囲を消毒するのに最適です。ただ、次亜塩素酸ナトリウムは強いアルカリ性のため、濃度が濃いとたんぱく質を溶かしてしまいます。反対に、濃度が薄いと消毒効果が弱くなりますし、熱によって分解される性質があるため、希釈液を作るときに熱湯と混ぜると消毒効果が弱くなる恐れがあるので注意が必要です。また、次亜塩素酸ナトリウムは酸との混合で塩素ガスが発生します。酸性のアルコールや、他の酸性の洗剤と混ざらないように、取り扱いには十分注意しましょう。

 次亜塩素酸ナトリウムを消毒に適した濃度に希釈するのには500ミリ・リットルのペットボトルがあると便利です。ペットボトルの蓋は約5ミリ・リットルの容量があります。商品によって違いがありますが、食器用の漂白剤として普及している濃度約5%の原液を蓋2杯分と500ミリ・リットルの水に加えると、嘔吐物や便が付着したものの消毒に有効な濃度0.1%の消毒液になります。

 トイレや床の消毒には、原液を蓋の半分と500ミリ・リットルの水に加えた濃度0.02%の消毒液を作ることができます。濃度0.02%の消毒液でも皮膚が荒れてしまいますので、希釈液を作る時や、消毒作業をする時は、手袋を着けたほうがいいですね。希釈液はおもちゃの消毒にも使えますが、2歳頃までの乳幼児は口に入れることがあるので、消毒後のおもちゃは水で洗った方が安心できます。

 消毒する際、ペーパータオルなどできちんと汚れを拭き取ってから消毒しないと効果が期待できません。身近な人が嘔吐をしている時だけでなく、汚れを処理している時にも飛沫感染がおこる可能性があるので、マスクを着けるようにしましょう。室内では、空気が乾燥することによるウイルスの浮遊を防ぐために、加湿器を利用するのもいいでしょう。空気感染のリスクを減らすことができそうです。

 次亜塩素酸ナトリウムには漂白効果があるため、制服など、色が濃く買い換えられない物の消毒には使えないかもしれませんね。その場合は、85度以上の熱湯で1分以上加熱するのも消毒効果が期待できます。その際は、水やお湯のしぶきを吸い込まないように注意してくださいね。

ノロウイルスが重症化することもある 乳幼児は二次性乳糖不耐症となるケースもある

 ノロウイルスは健康な大人なら回復することがほとんどですが、子どもや高齢者ではまれに嘔吐したものによって窒息したり、肺炎を起こしたりすることがあります。体調を崩して寝る時には、なるべく顔を横に向けるようにした方がよいでしょう。

 また、嘔吐や下痢が数時間続くと、水分をとりにくい乳幼児や高齢者ほど脱水症状になりやすいため、少量ずつ頻繁に水分摂取を促す必要があります。尿量の減少や、ぐったりしている時は迅速に受診しましょう。

 おなかの調子が戻るまでは、食物繊維や脂肪分など、おなかに負担のかかるものは避けて、おかゆやスープなど軟らかいものから普段の食事に戻したほうがよさそうです。特に乳幼児は、自分の状態を言葉にして伝えられないことがあるため、しばらくは便の様子も観察した方がいいでしょう。トイレが自立してからは、子どもが自分で流してしまう前に、大人が便を観察するタイミングを逃さないようにした方がよさそうです。「ママやパパが確認するまで、トイレのお水を流すのをちょっと待ってね。」と事前に声をかけておくのもいいかもしれませんね。

 もし、乳幼児期に胃腸炎発症から2週間以上経過しても下痢が続くときは、二次性の乳糖不耐症となっている可能性がありますので、主治医の先生に相談しましょう。

 たとえ、感染しても、一日も早く治して、流行の時期を乗り越えたいですね。

(新見千雅・日本気象協会 気象予報士)

 監修 鈴木孝太・愛知医科大学医学部教授(衛生学講座)

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気象予報士ママの「健康注意報」

新見 千雅(にいみ ちか)
日本気象協会 気象予報士

 呼吸器、透析分野で看護師として勤務した後、気象会社で原稿の作成やラジオ番組を担当。現在は、日本気象協会と株式会社JMDCが進めている、気象データとレセプト(医療報酬の明細書)データを使って、様々な疾患の発症・重症化リスクに関する情報を提供するサービス「Health Weather(R)(ヘルスウェザー)」プロジェクトに参加している。
 2児の母として、妊娠・出産・育児にまつわる天気のコラムを執筆中。


鈴木 孝太(すずき こうた)
愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授

 1974年、東京都生まれ。2000年、山梨医科大学医学部卒。2005年、山梨医科大学大学院医学研究科修了(博士(医学))。2011年 、University of Sydney Master of Public Health (MPH) Coursework修了。山梨大学医学部助手、助教、特任准教授、准教授を経て、2016年から現職。専門分野は周産期から小児期にかけての疫学、産業保健、ヘルスプロモーション。
 最近は、「Health Weather(R)」と共同で、気象と健康に関する研究を実施している。



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