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僕、認知症です~丹野智文45歳のノート

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「社会を変えるより、認知症の人を笑顔にしたい」と思ってたけど…

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希望大使に選ばれた

「社会を変えるより、目の前の認知症の人を笑顔にしたい」と思っていたが…

スピーチをする渡辺さん

 厚生労働省が任命する認知症の「希望大使」に選ばれ、先月、東京で開かれた式典に出席しました。認知症になっても希望を持って前を向いて暮らしている姿を積極的に発信していくのが役目で、特別に新しいことをやるというよりは、普段の活動をたくさんの人に見てもらうのが狙いのようです。

 今回、任命されたのは、私を含む5人の男女。年齢は40代~70代と幅があり、住んでいる地域も様々です。偏りが出ないように選んだのかもしれませんが、実際、どんな人でも認知症になる可能性があるのだし、世代や地域に関係なく、生き生きと暮らしている認知症の人がいるということでもあります。

 任命式には、友人、知人がたくさん駆けつけてくれました。そして、何よりもうれしかったのは、大使の一人、渡辺康平さんの元気な笑顔を見られたことでした。

日本で初めての「認知症だからできる仕事」

 私の地元の仙台では、認知症の当事者が、同じ立場で認知症の人の相談にのる「おれんじドア」を2015年に始めました。この取り組みをさらに進めて、病院やクリニックの中で、認知症と診断を受けたばかりで不安の中にいる患者や家族を支援するピアサポート活動を行い、相談員となる認知症の人に賃金を支払う事業の構想を温めていました。

 その頃、香川県の三豊市立西香川病院に招かれて講演し、同病院に通院していた渡辺さんと出会いました。渡辺さんなら、この病院で相談員として働くことができるのではないかと感じ、院長先生に「渡辺さんを雇ってみてはいかがですか」と提案したのです。

 渡辺さんは、17年6月から同病院の非常勤相談員となり、院内で開く認知症カフェなどに参加。「認知症の人が、認知症だからこそできる仕事をして賃金をもらう」という、おそらく日本で初めての試みが、仙台よりも先に実現したのです。

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丹野智文(たんの・ともふみ)

 おれんじドア実行委員会代表

 1974年、宮城県生まれ。東北学院大学(仙台市)を卒業後、県内のトヨタ系列の自動車販売会社に就職。トップセールスマンとして活躍していた2013年、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。同年、「認知症の人と家族の会宮城県支部」の「若年認知症のつどい『翼』」に参加。14年には、全国の認知症の仲間とともに、国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」(現・一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」)を設立した。15年から、認知症の人が、不安を持つ当事者の相談を受ける「おれんじドア」を仙台市内で毎月、開いている。著書に、「丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-」(文芸春秋)。

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