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[新型コロナウイルスQ&A(第1版)]風邪症状や37.5度以上の熱が4日以上続くなら相談を 倦怠感が特徴 ぜんそく薬で改善例も

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 新型コロナウイルス(COVID-19)について、国や世界保健機関(WHO)、関連学会の発表などからQ&Aにまとめました(2月10日作成、3月13日最終更新、随時更新します)

  Q コロナウイルスとは?

   元々ありふれた風邪を引き起こすウイルスで、風邪の原因の10~15%を占めるとされます。2000年代以降、SARS(サーズ=重症急性呼吸器症候群)、MERS(マーズ=中東呼吸器症候群)という病原性の高いタイプが登場したことから、今回、中国で見つかった新型の病原性が焦点となっています。WHOは2月11日、新型コロナウイルスが引き起こす病気を「COVID-19」と名付けました。

  Q そもそもウイルスって、細菌とどう違うの?

   細菌は細胞の構造を持ち、自身で増殖できるのに対し、ウイルスは殻の中にDNAかRNAのどちらかしかなく、単独では増殖できません。細菌に比べてサイズも小さく、人や動物の細胞に入り込んで増殖します。ちなみに、コロナウイルスやインフルエンザウイルスはRNAウイルスです。

  Q 新型ウイルスは、SARSやMERSのような怖いウイルスなの?

   日本感染症学会などが公表した見解(2月21日現在)によると、致死率は依然としてSARSより低いものの、その感染性の強さとともに、肺炎を合併する頻度の高さが明らかになってきたとしています。特に、高齢者や持病のある人では、肺炎の合併は生命を脅かす重篤な状態につながる可能性を高めるとして、注意を呼びかけています。

  Q なぜ、中国でばかり死者が多い?

   はっきりした理由は不明ですが、武漢市の医療機関に多くの人が詰めかけてパニックに近い状況になっていることが繰り返し伝えられており、受診の遅れや高齢者や持病のある人への感染の増加、ウイルス感染に続いて起きる二次性の細菌感染による肺炎の合併などが可能性として考えられるとされています。現在、報告されている患者は主に重症例とみられ、軽症を含む実際の患者数はもっと多いと考えられることから、現在2%程度とされている致死率は、もっと低い可能性があります。

 世界保健機関(WHO)と中国の専門家でつくる合同調査チームが2月28日にまとめた約5万6000人の症例分析によると、致死率は、中国全体では3.8%だが、武漢が5.8%と高く、武漢を除く中国国内では0.7%でした。年齢別では80歳以上が21.9%と高く、性別では男性(4.7%)が女性(2.8%)よりも高いとともに、持病のある人で高く、病気別では心臓病のある人(13.2%)、糖尿病(9.2%)、高血圧(8.4%)、呼吸器疾患(8.0%)、がん(7.6%)の順に高い死亡率でした。

  Q どんな症状が出るの?

   感染しても1日~12.5日の潜伏期間があるとされています。軽症の人が多いとみられていますが、特に高齢者や持病のある人では、肺炎を引き起こすなどの重症化に注意が必要です。日本感染症学会・日本環境感染学会が7日に開いた緊急セミナーでは、60歳未満の患者で、1週間ほど風邪のような症状と (けん)(たい) 感が続いた後に軽快する例がある一方、1週間ほど風邪症状と倦怠感が続いた後に呼吸苦やせき、肺炎と診断される例もあり、症状が長引くことや倦怠感など、普通の風邪やインフルエンザとは異なる経過をたどることが報告されました。

  Q 予防法は?

   ウイルスがせきやくしゃみによって飛散する飛沫(ひまつ)感染や、ウイルスのついた手指で口や鼻を触る接触感染で感染するとされており、インフルエンザに対する予防策が有効とみられます。インフルエンザでは、手洗い、ワクチンと、十分な栄養や睡眠などで体調を整えることが予防の柱です。このうち、新型コロナウイルスにはまだワクチンがないため、まずは手洗いを徹底することが予防の基本になります。アルコール消毒剤も有効です。

  Q マスクの意味は?

   マスク不足が問題になっています。せきやくしゃみなどの症状がある人は、周囲にうつさないように積極的にマスクを着けましょう。足りない場合には、内側のガーゼを交換するとか、ガーゼを水洗いしてから乾燥させて再利用するなどの方法もあるとされます。一方、予防のためにマスクを着ける意味は限定的です。WHOは、新型コロナウイルスに関するマスクの使用について、「健康な人は、感染が疑われる人の世話をするときだけ着ける」「自分がせきやくしゃみをしている場合には着ける」「頻繁な手洗いと組み合わせた時にだけ、マスクは効果を持つ」などと説明しています。厚生労働省でも、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられるが、屋外などでは相当混み合っていない限り、マスク着用の効果はあまり認められていない、としています。

  Q 発熱などの症状が出たら?

   厚労省は2月17日、症状が出た場合の相談、受診の目安を公表しました。それによると、発熱など風邪の症状があるときは、学校や会社は休んだうえで、毎日、体温を測定して記録してほしいとしています。

 Q 受診の目安は?

  厚労省が2月17日に示した基準によると

・風邪の症状や37・5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならない場合も同様)

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

・高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の持病がある人や人工透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている人は、風邪症状や発熱が2日程度続く場合

のいずれかにあてはまれば、帰国者・接触者相談センターに相談してほしいとしています。

 Q PCR検査って何?

   核酸増幅法といってウイルスの遺伝子を増幅して調べる検査法です。国や自治体の検査施設など実施できる機関は限られています。新型コロナウイルスでは、最初の検査では陰性だったが二度目の検査で陽性となった例などが報告されており、検査には限界があることが指摘されています。日本感染症学会が更新した見解によると、新型コロナウイルスのウイルス量は、インフルエンザに比べ100分の1から1000分の1と少ないことが、検査を難しくさせている理由としています。国は、3月6日から保険適用で自己負担なしに受けられるようにすると発表しました。

 Q 治療法は? アビガンってどんな薬?

   新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬は、まだありません。抗エイズウイルス薬の使用などが試されていますが、まだ研究段階です。治療は、解熱剤や脱水を防ぐための補液などによる対症療法が中心となります。重症者への使用が検討されているという「アビガン(一般名ファビピラビル)」は、国内企業が開発し、2014年に承認された抗インフルエンザウイルス薬です。催奇形性を有する可能性があることなどから、承認にあたっては、追加の臨床試験を実施することや、厚生労働大臣の要請がない限りは製造を行わないことなどの条件がつけられました(17年に、製造販売を行わないこと、に条件を一部変更)。他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果が不十分な新型または再興型インフルエンザウイルス感染症に対する薬です。催奇形性があることから、妊婦や妊娠している可能性がある女性には禁忌のほか、妊娠する可能性のある女性や、男性でも精液中に成分が移行することから、避妊することなどの使用上の注意があります。

 抗ウイルス薬としてはこのほか、米ギリアド・サイエンシズ社の未承認薬「レムデシビル」が、中国とアメリカで臨床試験が行われており、中国での試験の結果は4月に出る見通しとされています。また、抗HIV薬として日本でも認可されている「ロピナビル・リトナビル(商品名カレトラ)」が、国内でも重症患者の治療に用いられ、改善した例が報告されています。

 一方、武田薬品工業は3月4日、新型コロナウイルス治療薬としての血漿(けっしょう)分画製剤の開発を始めることを発表しました。

 ぜんそくの治療に用いられるステロイド吸入薬「オルベスコ」(一般名・シクレソニド)で、症状が改善したとの日本国内の病院からの症例報告が3月2日、日本感染症学会のウェブサイトに掲載されました。3例の報告であり、今後の症例の蓄積が必要とされています。

 マラリア治療薬のヒドロキシクロロキンによる改善例も報告されています。

 Q 中国からの手紙や荷物は安全? 生理食塩水による鼻うがいの効果は?

   WHOは、新型コロナウイルスに関する様々な根拠のない「神話」についてウェブサイトで説明しています。たとえば、「中国からの手紙や荷物を受け取っても安全か→安全」「生理食塩水による鼻うがいは予防に有効か→根拠なし」「ニンニクを食べると予防に役立つ→根拠なし」などです。

 Q 日本でも流行が広がる可能性は?

   政府の感染症対策本部の専門家会議は2月24日、「これから1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」になるとの見解を示しました。日本感染症学会は21日時点の見解として、15日以降、日本各地で感染経路が特定できない感染事例が報告され始めている中、地域の状況を見ながら、地域単位で感染対策のフェーズを水際対策期から感染蔓延期へ移行させていくことが必要になってくる、としています。

 国は3月1日、散発的に小規模に複数の患者は発生している段階であり、小規模な患者の集団(クラスター)が次の集団を生み出すことの防止が、感染拡大を防ぐために重要との指針を示しました。具体的には、スポーツジム、屋形船、ライブハウスなどを通じて集団感染が起きており、国の専門会議は2日、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような場所を避けるよう、特に無症状のまま感染を拡大させる可能性がある若者に強く呼びかけました。

 Q パンデミックって何?

   WHOは3月11日、今回の新型コロナウイルスがパンデミックとみなすことができると表明しました。パンデミックとは感染症が世界的な流行状態にあることで、かつては2009年の新型インフルエンザの時にも示されました。コロナウイルスでは初めてのパンデミックとなります。

 Q パンデミックが宣言されると何か特別な対応が求められるのですか。

   個人としてやるべき予防については特に変わりません。手洗いの励行など基本的な感染予防に努めましょう。

 Q 妊娠中の人の注意点は?

   厚生労働省によると、一般的に妊婦が肺炎を起こすと重症化する可能性があるものの、現時点(2月3日)で中国湖北省での妊婦の重症化や胎児障害の報告はないとしています。日本産婦人科感染症学会では、妊娠中や妊娠を希望する人へのアドバイスについてウェブサイトで公開しています。厚労省は2月17日に公表した受診の目安のなかで、妊婦の人は念のため、高齢者や持病のある人などと同様に、症状があれば早めに帰国者・接触者相談センターに相談してくださいとしています。

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