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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

コラム

ライターの本領発揮!「要介護の親と幼子、自身はパニック障害」書類で訴え…特養入所大作戦(1)

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ライターの本領発揮!「要介護の親と幼子を抱え、自身はパニック障害」書類で訴えるも…特養入所大作戦(1)

漫画・日野あかね           ※加点の条件と点数は、自治体や施設によって異なります

費用が安い=競争が激しい

 昨年の夏、今後の父さんの生活を特別養護老人ホーム(特養)に託すことを決め、地元の5施設に入所の申し込みをしました(施設見学の様子などは、昨年10月14日公開のコラムをご覧ください)。あれから、ちょうど半年が過ぎました。ですが、どこからも「入所可能」という連絡はありません。

 私たちの住む街は、人口の割に特養の数がとても少ないのです。5か所の中で月々の費用が一番安い施設が入所希望者も一番多く、なんと約600人もの待機者が! それを聞いたときは、一瞬、意識が遠のきました……。

入所の必要性をポイント化

 とはいえ、入所は申し込み順ではなく、施設でなくては必要な介護が受けられない人が優先される仕組みです。例えば、私たちの街では、本人の要介護度(要介護5は40点、4は35点……)、世帯の状況(一人暮らしは15点、高齢者のみ世帯は10点)などの項目ごとに点数が与えられます(最高80点)。そこに施設独自の基準で加点(最高20点)され、持ち点が決まります。点数が多いほど順位が高く、早く入所できるというわけです。

 私の“自己採点”では、我が家は、自治体基準の部分は65点でした。あとは、施設基準の分をどれだけ上乗せできるかが分かれ目になりそうです。

 ケアマネジャーからも「少しでも多く加点されるように、申込書には、家庭の状況をできる限り詳細に書き、大変さを訴えてください」というアドバイスを受けていました。私も物書きの端くれ、筆力を尽くして「妻(母さん)も介護が必要となり、一人娘(私)は、夫が長期の海外出張中で、介護と育児を1人で抱えている。さらに娘は、長年の介護のストレスによるパニック障害もある」などと、枠からはみ出さんばかりの勢いで書き込みました。

甘かった…まさかの「3桁」に絶叫

 そうして文章にすると、客観的に見ても、岡崎家はかなり危機的状況にあると実感。きっと、私の切実な訴えを読んだ施設の方が、それなりの加点をしてくれるはず!! そこそこ上のポジションを取れるんじゃないの?!と、ちょっぴり楽観的な気持ちが芽生えていました(ケアマネジャーも「そんなに待たないかも」と言っていたし)。

 と、こ、ろ、が~!!!!

 申し込みをして1か月が過ぎたころ、ある施設から、入所順を知らせる手紙が届きました。そこに書いてあった順位は「189番」。

 思わず「え~~~!!!」と絶叫。待機者が数百人に上る中で、いきなり「1番や2番」というのは無理だとしても、「30番ぐらい」(何も根拠がないけれど)にはなれるかと思っていたのに、まさかの3桁とは。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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