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パーキンソン病 踊って改善

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「笑顔戻った」「症状を緩和」

 難病のパーキンソン病(PD)の患者が、ダンスで笑顔を取り戻している。音楽に合わせて体を動かすことで症状の緩和が期待でき、リハビリに取り入れる施設もある。福岡大の研究者が、医学的な効果について調査を進めている。

医学的な効果 調査

パーキンソン病 踊って改善

ダンスを披露するパーキンソン病の患者ら(2日、福岡市早良区で)=加藤祐治撮影

 今月2日、福岡市早良区で開かれた障害のある人たちによるダンスの発表会。定番曲「マンボNo.5」のリズムに合わせ、車いすやパイプいすに座った患者11人が、軽快に手足を動かしてダンスを披露した。

 「稽古のかいがあって、楽しかった。もっと踊りたいぐらい」。この日を楽しみにしていた浜本希味子さん(80)は、ダンスで生活に張りが出た一人だ。

 北九州市で一人暮らしをしていたが転びやすくなり、3年前にパーキンソン病が判明した。世話焼きで明るい性格だったのに、「ごめんね」が口癖に。福岡市の高齢者施設でベッドに伏せるようになった。

 心配した長女の杉本秀子さん(53)(福岡市西区)が昨年1月、患者を対象にしたダンスの教室があると聞き、歩行器の浜本さんを連れ出して見に行くと、最前列でステップを踏み始めた。はじけるような笑顔に、杉本さんは「昔の母が戻ってきた」と感じ、浜本さんは「娘に喜んでもらえてうれしい」と涙をこぼした。

 このダンス教室は、福岡市西区のダンスアーティスト・マニシアさんが2016年に始めた。米国で学び、毎月1回、同市の公共施設で開催。振り付けは、座ったままでき、手をひらひらと動かすなど震えがあっても可能な動きを取り入れた。

 同市早良区に昨年7月に開設されたパーキンソン病患者の入所施設「PDハウス 野芥のけ 」では週1回、リハビリの一環としてダンスを取り入れており、マニシアさんらが講師を務める。

 入所者約30人のうち、約20人が参加。ハワイアンでゆったりと体を動かした後、60年代のロックナンバーで盛り上げる。マニシアさんは「ダンスをすると、ポジティブになれる。生活の質が上がる」と語る。

 施設の職員は「体を動かさないと、どうしても痛みが生じるようになる。ダンスが症状の発現を抑えている」と話す。

 福岡大医学部の坪井義夫教授(脳神経内科)は、昨年7月から半年間ダンスを続けたこの施設の入所者を対象に、運動機能や認知機能、生活の質がどう変わったかを調査。ダンスをしていない患者と比較する研究を進めている。結果は学会に発表する予定だ。

 坪井教授は「症状が進んだ人でも、予想以上にダンスに参加できている。普通のリハビリ以上に症状の緩和につながっているのではないか」と分析している。

パーキンソン病 手が震えたり歩くのが困難になったりする進行性の病気で、主に50歳以上で発症する。厚生労働省によると、約13万人が医療費を受給している。

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