文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」

コラム

女性の敵、冷え性の対策は温泉で

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部で「温泉と保養」を教えています。先日、2019年度の講義を終えて、いま採点のための最終レポートを読んでいます。

 209人の受講生に温泉に何を求めるかを聞いたところ、もっとも大きな期待は「冷えの解消」でした。こんなに多くの若い女性が冷えを感じているのかと、少し驚きました。冷えは女性にとって、最大の敵ですね。いいえ、女性だけでなく、男性にとっても冷えは万病の元。そこで寒さ厳しい2月は「冷えトリ温泉」をご案内します。

塩の膜が張って、温まった体を保温してくれる塩化物泉

女性の敵、冷え性の対策は温泉で

海を眺めながら、皆生温泉へ向かう途中、虹に遭遇!

 温泉は、成分によって大まかに10種類の泉質に分けられますが、「冷えトリ温泉」の代表格は塩化物泉です。

 そもそも温泉に入浴すればどんな泉質でも、温熱効果で血行が良くなります。中でも塩化物泉に入ると、肌に塩の膜が張られるので、温まった体の熱を閉じ込める保温効果があります。

 島国・日本において、塩化物泉は海沿いに湧いています。

 日本海沿いにある鳥取県の 皆生(かいけ) 温泉もそのひとつ。
 JR米子駅からバスで20分、米子鬼太郎空港からなら、車で20分ほどで到着します。

 私は日本百名山のひとつにも数えられる雄々しい 大山(だいせん) に向かい、海を眺めながら車を走らせました。そもそも、皆生温泉は、明治の初めに、海にぷくぷくと湧いてきた温泉を漁師が発見し、その後、白浜に湯船が作られたことから、温泉街へと発展してきた温泉地です。

 私が皆生温泉の「菊乃家」を訪ねた時は、カニがおいしくなる寒い時期でした。ずっと外を歩いていて足の爪先がとても冷たくなっていたので、宿に着いて早々にお湯にどぼ~んと。

 冷えきった爪先がじんじんとしてきます。塩化物泉特有のねっとりとしたお湯が体にまとわりつきます。入浴して5分で、額に汗がにじみました。

女性の敵、冷え性の対策は温泉で

寒い冬のぜいたくなお楽しみは……、やっぱりカニ料理ですよね

ほかほかのお湯、おいしいカニ、そして朝まで熟睡の幸せ

 塩化物泉に入る時、私は最後にシャワーで温泉を流しません。脱衣所でも、タオルで体を拭くのではなく、そっと押さえる程度にして、塩の膜を残すようにしています。ただ、塩分濃度の高い温泉では、肌に刺激を感じる人もいますので、もし入浴中に肌に違和感を覚えたら、シャワーで流すことをおすすめします。

 湯上がりは、ずっとほかほかが続きました。

 夕食には松葉カニのコースを頂きました。刺し身はぷりぷりとして、甘く、とろけそう。鍋のしめの雑炊は、カニの香りを閉じ込めていて絶品でした。名物の甲羅焼きは、みそがとろとろぷるぷる。口に入れると、ほどよく塩気が広がり、目をつむると海の景色が見えるようです。

 就寝前ものんびりと湯に浸かってから、お布団へ。すると、ことんと深い眠りに落ちたのです。一度も目を覚ますことなく、翌朝まで眠り続けました。熟睡できたからでしょうか、本当に爽やかな朝を迎えました。

山間部に湧く塩化物泉も

女性の敵、冷え性の対策は温泉で

松之山温泉は、地熱で温められた海水のいで湯です

 塩化物泉は海岸沿いだけでなく、山間部に湧く例もあります。

 それは化石海水と呼ばれる温泉。地面が隆起した時に海水が閉じ込められて、地熱で温められたものです。

 新潟県の松之山温泉も化石海水です。標高1000メートルに群生するブナ林の近くにある、山のいで湯です。松之山温泉に泊まった時も、しっかり温まったためでしょうか、やはり深い眠りに落ちました。雪景色を眺めながら、とろんとした温泉に浸かるのは至福の時です。

皆生温泉

皆生温泉
【 所在地 】〒683-0001 鳥取県米子市皆生温泉
【 電 話 】0859-34-2888(皆生温泉旅館組合)
【 泉 質 】ナトリウム・カルシウム塩化物泉
【 効 能 】神経痛、リウマチ、慢性皮膚病、慢性婦人病、美肌効果など
【アクセス】JR「米子」駅から路線バスで20分。
【ホームページ】https://www.kaike-onsen.com/new/JP/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

yamazaki_mayumi_prof

山崎まゆみ(やまざき・まゆみ)

温泉エッセイスト、ノンフィクションライター、VISIT JAPAN大使、跡見学園女子大学兼任講師。世界32か国1000か所以上の温泉を巡り、「温泉での幸せな一期一会」をテーマに各メディアでリポートしている。『続・バリアフリー温泉で家族旅行』(昭文社)等著書多数。最新刊は『行ってみようよ! 親孝行温泉』(昭文社)。内閣官房東京オリンピック競技会・東京パラリンピック競技会推進本部事務局「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議 街づくり分科会」「ユニバーサルデザイン2020評価会議」に参画し、日本の「バリアフリー温泉」の推進に力を注いでいる。温泉情報はTwitter、FB、インスタグラムで更新中。

山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事