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解説

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ユマニチュード(2)家族のケア 遠隔指導

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ユマニチュード(2)家族のケア 遠隔指導

米浜昭英さん(中央)に手を差し伸べる香織さん(左)と、タブレット端末で録画する宜子さん(福岡市内で)

 「おかえり。寒かったでしょ」。1月14日午後、福岡市内の海沿いのマンション。デイサービスから帰宅した、重い認知症のある米浜昭英さん(77)に、長女・香織さん(46)が手を差し伸べて、妻・宜子さん(74)がタブレット端末で録画を始めた。

 2人は3年ほど前、フランス発祥のケア技法「ユマニチュード」を学び、現在は情報通信技術(ICT)による遠隔指導の効果を確かめる内閣府の実証実験に参加中だ。

 昭英さんは裸一貫から飲食店チェーンを築いた立志伝中の人物だ。42年前にちゃんこスープをベースにしためん料理の店を始めたところ、大当たりし、ニューヨークの世界貿易センタービルにも出店した。

 2001年の米同時テロでビルは崩壊したが、数キロ離れた自宅にいて難を逃れた。そして、「新規まき直しを」とハワイで陣頭指揮を執っていた07年頃、物忘れが激しくなった。

 人との会合の約束を忘れ、かばんを紛失し、マンションの自室を間違える。そんなことを何度も繰り返すようになった。帰国して認知症と診断された。

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