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教えて!ヨミドック

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年を取ると涙もろく・・・なぜ?

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感情抑える機能に衰え

年を取ると涙もろく・・・なぜ?
年を取ると涙もろく・・・なぜ?

  昨日見た映画で泣いちゃったよ。近頃、涙もろくなった気がする。年のせいかな。

 ヨミドック 涙は、目の表面の乾燥を防ぐため、常にわずかに分泌されています。細かいゴミや刺激などから守る防御反応の涙もありますが、喜びや悲しみなどで心が動かされた時に出るのが、情動性の涙です。

 交感神経の働きで緊張状態になり、感情のコントロールにかかわる前頭葉の内側前頭前野の部分の血流が増えます。すると、癒やしに関わる副交感神経に切り替わって脳幹の「 上唾液核じょうだえきかく 」に信号が伝わり、涙腺に指令を出すと考えられています。情動性の涙は、人間だけが備える能力といわれています。年をとると、感情抑制を担う前頭葉の機能が低下するようです。

  やっぱり……。

  個人差もありますが、脳科学的には、18~25歳をピークに、感情にブレーキをかける力が徐々に落ちていくといわれています。

 「暴走老人!」という題名の本が話題になったね。

  でも悪いことばかりではありません。米国の研究で、顔写真の表情から感情を読み取る能力は、50歳間近にピークになるという報告があるんです。人生経験を重ねるなかで、微妙な表情の変化に気づき、共感する力もアップしているようです。

  年を取ると、感情表現が豊かになるともいえるね。良い意味でだけど。

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  感動して泣いた後、気持ちがスッキリするような経験をした人もいるでしょ。涙は内側前頭前野の血流が増えてから10秒以上たつと、出てきます。血圧や脈拍も下がるので、いわば、緊張状態から解放された状態といえます。

  そうか。でも泣くのを見られるのは恥ずかしい。

  人は、成長するにつれて、人前では涙を抑えるよう学習していきます。でもそれも考えもの。身勝手なストレス泣きは困りますが、うれし泣きやもらい泣きは、感受性が豊かな証拠。恥ずかしいことではないですよ。

 共感して泣くことの癒やし効果も注目されています。感動して泣きたくなったら遠慮なく泣きましょう。

(野村昌玄/取材協力=有田秀穂・東邦大名誉教授、篠原菊紀・公立諏訪東京理科大教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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