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新型コロナウイルスから子どもを守る…マスクとうがいの効果は疑問 「絶対にしてほしいこと」は

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松永正訓(小児外科医)

 新型コロナウイルス感染による新型肺炎が大変な話題になっています。

 私は千葉市に住んでいますが、妻の話によればドラッグストアでマスクは品薄になっていて、一人で買える個数が制限されているそうです。東京などの大都市では人口の密集度も高いし、来日外国人の数も圧倒的に多いので、新型肺炎を心配している人は地方よりも多いことでしょう。

油断せず、恐れ過ぎず

 現在(1月30日)までに、22の国・地域で、8000人を超える人が新型コロナウイルスに感染し、170人が死亡したと報道されています。致死率は、およそ2%です。この数字をどう見ればいいのかは、大変難しいと思います。

 冬季に流行するインフルエンザの場合、国内で毎年、約1000万人がウイルスに感染し、直接的・間接的な死亡者は約1万人になるとされています。「1万人」という数字に驚かれる読者も多いと思います。しかし、致死率を計算すれば、0.1%ということになります。

 新型コロナウイルスについて、最近、明らかになったことは、人から人へ感染することが確実であることと、ウイルスを保持しているが病気は発症していない「不顕性感染」が起きているということでしょう。不顕性感染の人からほかの人にうつるのかは、まだ定かではありません。決して油断してはいけませんが、過度に恐れてもいけないと思います。

小児の感染例も報告

 コロナウイルスはゲノムにRNAを持っていますから、遺伝子変異を起こしやすいと言えます。ウイルスが広がるにつれ、毒性が増すことも考えられますが、反対に衰えることもあります。私は、後者の可能性の方が高いと思っています。夏季五輪までに終息することを祈るばかりです。

 2002~03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行したときは、致死率は約10%でした。重症肺炎になると、医師は患者に人工呼吸器を使います。それでも救命できない理由は、患者自身の免疫系(炎症性サイトカイン)が暴走して肺や他の臓器を破壊してしまうからです。こういう状態を「サイトカインストーム」(サイトカインの嵐)と言います。今回の新型肺炎でも、同じようなことが起きていることが報告されています。

 免疫系の暴走は、子どもよりも免疫の強い大人で顕著に表れます。したがって、SARSのときも今回も、中年以上の成人で死亡者が多く出ています。しかしながら、小児の感染例も報告されるようになった今、子を持つ親の心配は尽きることがないでしょう。どうすれば新型コロナウイルスの感染から子どもを守ることができるのでしょうか?

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