常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
バリウム検査が苦手なあなた、内視鏡がお勧めです…高い診断力 被曝なく女性にも安心
検査結果と症状の程度が一致しない理由
私自身が初めて内視鏡検査を受けたのは、先輩医師からこの検査を習い始めた頃だ。当時は若くて素直だったせいか(?)、いわゆる 嘔吐 反射も少なく、胃の入り口もきゅっとしまってきれいなものだった。しかしながら、最近では胃の入り口は緩まり、軽いが胃酸の逆流状態も見られる。年を取れば大抵こんなものだ。たるんでしまうのは顔の皮膚ばかりではないのだ。
健診センターの人間ドックで内視鏡検査をすると、半分くらいの人には、食道 裂孔 ヘルニアと呼ばれる胃の入り口の緩みがあったり、食道の下の方が白くなったり傷がついたりしている。これは、いわゆる逆流性食道炎があることを示している。
逆流性食道炎は、決してオヤジだけの病ではない。背を丸くして前屈みになるパソコン作業や、食後すぐのごろ寝、長時間の緊張やストレスなどが原因で胃腸の動きが悪くなり、胃酸が食道に上がってくる逆流性食道炎を招く。
内視鏡検査で評価される逆流性食道炎の悪化度と、実際の症状が一致しないことがある。まあ、食道炎は誰でもあることなのだが(私が毎週人間ドックで検査する方の約半数に食道炎がある)、「症状が強い人がひどい食道炎だというわけではない」ということだ。そこが消化管の不思議なところだ。内視鏡検査は食道・胃・十二指腸という「器」の欠けや傷を見つける検査だが、「胃が痛い」とか「胸焼けがする」とか「ゲップが多い」とかは、「動き」に関わる問題が多く、胃腸の動きを支配している自律神経の影響が大きいためだろう。胃腸薬で症状を解決できないことがあるのも、このためだ。
ピロリ菌 3種類の薬で80~90%除菌
内視鏡検査でピロリ菌の胃炎があれば、もちろん除菌治療を受けよう。ピロリ菌は胃がんを併発しやすい。年々、ピロリ菌感染者は減っているが、それでも保菌している方はまだ多い。
除菌には漫画からドラマ化もされ有名になった「JIN-仁-」にも出てきた抗生物質「ペニシリン」を使うため、ペニシリンのアレルギー反応がある人には残念ながらできないが、そうでなければ、3種類の薬を1週間飲むだけで80~90%除菌できる。除菌後も、年1回の内視鏡検査は必要だ。よくピロリ菌除菌後、安心して検査を受けていない方がいるが、元からピロリ菌がいなかった人と比べると、胃がんリスクが少し高いので受けてほしい。私はピロリ菌がいなかったが、2年に1回は胃の内視鏡検査を受けることにしている。
そして、やっぱり基本となるのは、規則正しい生活と休養、刺激が少なくバランスの良い食事だ。とはいえ、わかっちゃいるけど食べちゃう、飲んじゃう……は、私も同じ。多少のことは大丈夫。楽しく生きるのが一番だと思う。(常喜眞理 医師)
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本当に苦手で、バリウムは何とか飲めますが発泡剤がどうにも苦手です。
普段から炭酸飲料のまないので余計に です。
なんとか終わっても、下剤飲んで出しても一週間ぐらい腸の調子が
悪いです。あんまり合っていないんでしょうね。
次回からはやはり内視鏡お願いしようと思いました。
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