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気象予報士ママの「健康注意報」 新見千雅

医療・健康・介護のコラム

小児も大人もつらい「ぜんそく」…長期的に薬でコントロールするには

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布団に掃除機をかける、ぬいぐるみを洗う…ぜんそく予防のために

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写真はイメージ

 ぜんそくは、気道が炎症を起こしている状態であり、ほんのわずかな刺激でも症状につながってしまいます。良好な状態を長期間維持するためには、薬による治療だけではなく、家庭内など普段の生活環境を整えることも重要です。

 例えば、アレルギー反応をおこす物質は、血液や皮膚の検査でわかります。主なものは、ダニやハウスダスト、カビや花粉などです。夏の間に繁殖したダニは、秋から冬にかけては死骸となり粉のように細かくなります。

 冬は空気が乾燥しているので、ダニもハウスダストも空気中に浮遊しやすく、体内に入りやすくなります。また、空気清浄器や加湿器のカビが原因となることもあります。

身の回りからアレルギー反応を起こす物質を一切取り除くことは難しいです。

 しかし、床だけではなく布団にも掃除機をかけたり、ぬいぐるみを洗ったりするなど、できる限り良い環境を整備することが、ぜんそくを予防したり、症状をおさえるためには大切です。

 また、非アレルギー性のぜんそくを誘引する要因としては、風邪による気管支炎が挙げられます。手洗い、うがいなどの基本的な風邪予防を行ったり、風邪をひいた時は早い段階で受診して治療を受けるということが、ぜんそくの予防につながります。

 さらに、非アレルギー性のぜんそくの中には、運動することによって乾燥した冷たい空気が刺激になるという、運動誘発性のタイプもあります。軽度のぜんそくの人でも、激しい運動をすると発作が起きる可能性があるため、気温が低く乾燥しやすい時期は特に注意が必要でしょう。

 また、成人では、たばこや解熱剤、鎮痛剤などから、ぜんそくが引き起こされることがあります。

 一般的に、小児ぜんそくは、成長とともに気管支が発達するため寛解しやすいととらえられていますが、最近は、小児期のぜんそくが、成人になってから慢性閉塞性肺疾患にかかる危険因子になるとも考えられています。

発作が起きた…迅速に受診するべき場合とは

 ぜんそくは、もし症状が発生した後に適切な治療が受けられないと、最悪の場合、急性増悪(発作)により死亡することがある恐ろしい疾患です。

 発作時のための気道を広げる治療薬を使用しても症状が改善されない時は、受診しましょう。

 迅速に受診するべき重症発作の症状は、

 ・睡眠がとれなかったり、話ができなかったりするほどの呼吸困難

 ・胸がぺこぺこへこむ陥没呼吸

 ・肩を上下に動かす肩呼吸

 ・横になると呼吸困難が強く、座った姿勢となる起坐(ルビ;きざ)呼吸

などです。

 普段は症状が重篤である方でなくても死亡例があります。症状の軽い方も、急なぜんそく発作に対応する方法を、主治医の先生と相談しておいた方がよいでしょう。

 ぜんそくの発作が起こりやすいのは、夜間や早朝という方が多いようですが、体質や生活リズムによって人それぞれです。服薬の状況や症状を「ぜんそく日記」として記録することは、発作が起こりやすいタイミングを知る手がかりとなります。

 年齢が5~6歳以上なら、ピークフローメーターという息を吐く速度を測る器具を購入するとよさそうです。発作を自覚する前の段階でも数値が下がるため、重症発作を予測しやすく早期治療につながるでしょう。日々の状態が数値化されることで、時間帯による変化や、薬剤の効果もわかりやすくなります。

 特に、小児期から成人期にかけては、呼吸器の機能が成長する大切な時期です。ぜんそくの症状を、良好な状態でコントロールできるといいですね。

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気象予報士ママの「健康注意報」

新見 千雅(にいみ ちか)
日本気象協会 気象予報士

 呼吸器、透析分野で看護師として勤務した後、気象会社で原稿の作成やラジオ番組を担当。現在は、日本気象協会と株式会社JMDCが進めている、気象データとレセプト(医療報酬の明細書)データを使って、様々な疾患の発症・重症化リスクに関する情報を提供するサービス「Health Weather(R)(ヘルスウェザー)」プロジェクトに参加している。
 2児の母として、妊娠・出産・育児にまつわる天気のコラムを執筆中。


鈴木 孝太(すずき こうた)
愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授

 1974年、東京都生まれ。2000年、山梨医科大学医学部卒。2005年、山梨医科大学大学院医学研究科修了(博士(医学))。2011年 、University of Sydney Master of Public Health (MPH) Coursework修了。山梨大学医学部助手、助教、特任准教授、准教授を経て、2016年から現職。専門分野は周産期から小児期にかけての疫学、産業保健、ヘルスプロモーション。
 最近は、「Health Weather(R)」と共同で、気象と健康に関する研究を実施している。

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