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気象予報士ママの「健康注意報」 新見千雅

医療・健康・介護のコラム

怖いインフルエンザ肺炎、脳症…妊娠中のママ、子ども、高齢者が気をつけること

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インフルエンザ脳症・脳炎になるのは稀なケースだが…

 インフルエンザ脳症・脳炎になるのは (まれ) なケースですが、子どもは合併しやすいと言われています。インフルエンザ脳症・脳炎の多くは、10歳未満の子どもで発症しています。

 発熱してから数時間~2日目に症状が出ることが多く、けいれんが持続したり反復したり、意識障害や異常行動などがみられることがあります。

 けいれんは熱性で特別な治療を必要としないものもありますが、インフルエンザ脳症からのけいれんなら、後遺症が残ることや、命に関わることもあります。迷わず救急車を呼びましょう。

 もし、インフルエンザで発熱後に、眠りがちで呼びかけにも答えられない、意味が分からない行動や言葉があるなど、子どもの様子がいつもと違うけれども判断に迷うことがあれば、主治医の先生に相談して、必要なら迅速に受診しましょう。

 また、インフルエンザ脳症・脳炎はNSAIDsという解熱剤を使用したときに発症しやすくなることがわかってきています。高熱は心配ですが、自己判断で市販の解熱薬を使わないようにしましょう。

 高齢者は加齢により免疫機能が低下していることが多く、インフルエンザの感染に引き続いて、新たなウィルスや細菌に感染して肺炎になるなど、二次感染により重症化しやすくなります。

 そして、ぜんそく、慢性肺疾患、循環器や、免疫が低下している可能性のある腎障害、糖尿病などの基礎疾患のある方も、インフルエンザ発症によって悪化してしまう恐れがあるため、気を付けた方がよいでしょう。

予防接種、アルコールで手指を消毒…流行の季節を乗り切る

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写真はイメージ

 さて、インフルエンザワクチンの予防接種をうけたけれど、インフルエンザに感染してしまったという話を聞くことがよくあります。インフルエンザワクチンを接種してから抗体が十分に付くまでには、2週間ほどの期間が必要です。

 また、子どもは成人に比べると抗体が付きにくいと言われているため、1回目の接種から約4週間の間隔をあけて、2回目の接種がすすめられています。ワクチンの効果が期待できるようになってからも、感染を完全に防ぐことは難しいですが、重症化を防ぐことにつながると言われています。

 インフルエンザウイルスはアルコールで死滅するため、外出中など手洗いしにくい時も、子どもがおやつを食べる前などは、アルコールで手指を消毒するのもいいでしょう。

また、冬の快適な室温である20度前後では、相対湿度が20パーセントほどの時より、50パーセントほどの方が、インフルエンザウイルスは死滅しやすくなります。家庭内での対策は、加湿器を利用するとよさそうです。

 インフルエンザを発症しても、子どもは薬の味が気になって飲まないこともあります。普段から薬を飲みやすくする子ども用のゼリーなどが家にあると安心です。

 ママがインフルエンザを発症することもあると思いますが、どんなに体調が悪く家の中で過ごしていたとしても、子どもが小さいうちは手がかかり、体を休ませることができないことがありますよね。買い物にも行けない時のために、あらかじめ調理しなくても食べられる食料をストックしておくといいかもしれません。

 高熱では汗を大量にかくため、脱水対策として、電解質を補給できる飲料もあるといいでしょう。体調不良を長引かせず、インフルエンザ流行の季節を乗り切りたいですね。

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気象予報士ママの「健康注意報」

新見 千雅(にいみ ちか)
日本気象協会 気象予報士

 呼吸器、透析分野で看護師として勤務した後、気象会社で原稿の作成やラジオ番組を担当。現在は、日本気象協会と株式会社JMDCが進めている、気象データとレセプト(医療報酬の明細書)データを使って、様々な疾患の発症・重症化リスクに関する情報を提供するサービス「Health Weather(R)(ヘルスウェザー)」プロジェクトに参加している。
 2児の母として、妊娠・出産・育児にまつわる天気のコラムを執筆中。


鈴木 孝太(すずき こうた)
愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授

 1974年、東京都生まれ。2000年、山梨医科大学医学部卒。2005年、山梨医科大学大学院医学研究科修了(博士(医学))。2011年 、University of Sydney Master of Public Health (MPH) Coursework修了。山梨大学医学部助手、助教、特任准教授、准教授を経て、2016年から現職。専門分野は周産期から小児期にかけての疫学、産業保健、ヘルスプロモーション。
 最近は、「Health Weather(R)」と共同で、気象と健康に関する研究を実施している。



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