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中国の新型肺炎、WHOが緊急事態宣言を見送り…「事態軽視しているわけではない」

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 【ダボス(スイス東部)=杉野謙太郎】世界保健機関(WHO)は23日、中国で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について、スイス・ジュネーブで専門家による緊急委員会を開き、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送った。記者会見した専門家らは、中国以外での症例数が限られ、宣言には「早すぎる」と説明した。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、中国の国外で人から人への感染例は見つかっていないことなどを挙げ、「中国にとっての緊急事態だが、世界的な健康の危機ではない」と述べた。ただ今後、状況が悪化する可能性についても言及し、「今日は見送ったからといって、WHOとして事態を軽視しているわけではない」と強調した。

 また、「人の移動や貿易の、より広範な制限は勧告しない」としたが、中国政府に対し、感染の広がる地域の国際空港や港での出国者に対する体温検査実施などを求めた。

 緊急委員会は初日の22日に結論が出ず、2日続けて行われた。宣言について意見が分かれたものの、中国以外での症例が少ないことに加え、中国が封じ込め対策に力を入れていることも見送りの理由となった。

指定感染症、政府見送りへ

 WHOが緊急事態の宣言を見送ったことを受け、厚生労働省は、新型コロナウイルスによる肺炎を、入院や就業制限を強制できる感染症法上の「指定感染症」に位置づけることは見送る方針だ。現状では、感染が日本国内で拡大しておらず、強制措置を取る段階ではないと判断したためという。

 WHOが緊急事態宣言を見送ったことについて、東北大学の押谷仁教授(ウイルス学)は「患者が増えている状況から、国際的に感染が広がる危険性があり、今回、宣言を出すべきだったのではないか」と指摘している。その上で、「今後、中国以外で患者が増えたり、人から人への感染が広がったりするようになれば、宣言が出されるだろう」と話している。

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