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体の不調や口臭につながる唾液の減少 更年期女性に多く…加齢変化に抗う方法は?
最近、口が乾いて……という人は、唾液が減っているかもしれない。加齢やストレス、更年期などの要因で唾液が減ると、「食べにくい」「しゃべりにくい」だけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなり、高齢期の 嚥下 機能にも影響するという。唾液の量と質を維持するには何を心がければいいのか、神奈川歯科大の 槻木恵一 教授に聞いた。(梅崎正直 ヨミドクター編集長)
歯周病や感染症防ぎ、健康を維持する役割
――唾液は、人の健康維持にどのような役割を果たしているのでしょうか。
食べ物を消化することや、食べやすく、飲み込みやすくすることだけはありません。唾液には様々な生理活性物質が含まれています。IgA(免疫グロブリンA)などの免疫成分も含まれていて、口の中で細菌、ウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。また、脳のストレス耐性を高めるとされる「BDNF」という物質も含まれ、私たちの動物実験では、抗不安作用があることが分かりました。このほかにも、細胞の老化を防ぐ成分など、多くの物質がある唾液は、心身の健康に大きな役割を果たしていると言えます。
――分泌する量が減ると、どのような問題が生じますか。
やはり、口内が不潔になるため、感染症にかかりやすくなります。虫歯や歯周病のほか、咽頭や喉頭など上気道の感染、つまり風邪などにかかるリスクが高まります。また、高齢者では、食べ物を飲み込むのが難しくなるのに加え、細菌が増えやすいため、誤嚥性肺炎の危険も出てきます。
ストレスや薬の副作用も原因に
――加齢によって減少するということですが、具体的には何歳くらいからでしょう?
個人差がありますが、女性では更年期から。更年期の症状にも、口の乾きがあります。ですので、唾液の減少も、比較的、女性の方に目立ってきます。口の違和感のほか、入れ歯の人は装着しにくくなったり、細菌が増えることで口臭の悩みを訴えたりして受診する人もいます。
男性も50代後半以降になると唾液が減ってくるようです。
――年齢的要因以外には?
ドライマウスの患者さんがいらっしゃいますが、ストレスや睡眠不足は口が乾く原因になります。また、服用している薬の影響もあります。睡眠薬や抗うつ薬、高血圧の薬などに、唾液を減らす副作用があるものがあります。口呼吸をしている場合は、唾液が出ても蒸発してしまいます。特に、唾液の量が減る夜中に口呼吸をしている人が多いので、口内環境は悪くなってしまいます。
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