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中国の肺炎、新種コロナウイルスか…専門家は冷静な対応呼びかけ

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 【ローザンヌ(スイス西部)=杉野謙太郎】世界保健機関(WHO)は8日、中国湖北省武漢市で多発している原因不明の肺炎の病原体について、「新種のコロナウイルスの可能性が排除できない」との声明を発表した。

 WHOによると、中国当局の検査では、インフルエンザや鳥インフルエンザなどの可能性が否定されたという。WHOは声明で、病原体の特定や症状の把握のために、「より包括的な情報が必要」とも指摘した。

 2012年の中東呼吸器症候群(MERS)など、新種のコロナウイルスは定期的に発生している。WHOは、今回の病原体は、人によっては重い症状を引き起こす可能性があるものの、容易に感染しないとしている。

 中国中央テレビも9日、武漢市の複数の肺炎患者から、病原体と推定される新型コロナウイルスが検出されたと報じた。コロナウイルスが原因で発症する新型肺炎(SARS)やMERSとは、種類が異なるものだという。

 昨年12月以降、武漢市での原因不明の肺炎患者は59人に上る。うち7人が重症で、全員が隔離治療された。8人は、8日に退院している。

       ◇

 コロナウイルスは、せきや発熱といった風邪の症状を起こす。

 多くの種類が確認されており、2003年に中国を中心に流行したSARS、12年に中東で確認されたMERSも、原因は新型のコロナウイルスだった。いずれも人から人に感染したため流行が拡大し、WHOのまとめでは、SARSは03年8月までに916人、MERSでは昨年11月までに858人の死者が出た。

 今回の肺炎は人から人への感染が確認されておらず、厚生労働省や専門家らは、SARSやMERSのような、国境を越えた感染拡大は考えにくいとしている。

 感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「患者に接する医療従事者が感染しておらず、死者も出ていない。それほど恐れる必要はなく、正しい情報を得て行動してほしい」と話している。

 厚労省は中国政府やWHOから情報収集するとともに、国内の空港では武漢市から来た人に対し、せきや発熱などの症状がある場合は申し出るよう呼びかけている。

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