「続・健康になりたきゃ武道を習え!」 山口博弥
医療・健康・介護のコラム
空手の魅力は? 仕事に役立つ? ウクライナの外交官に聞いてみた
空手の魅力とは何か――。在日本ウクライナ大使館の外交官で、極真会館総本部代官山道場に通うユーリ・ルトビノフさん(45)に聞いた。
強さ、「魂」に憧れ
「私のように(肉体労働ではない)事務の仕事をする人にとって、週に2回でも体を動かしてリフレッシュすることはとても大事です。もちろん、他のスポーツでもいいし、趣味でもいい。ただ、私は武道が好きで、その中でも空手に興味がある。そして、極真空手の強さや『魂』に憧れがあるんです」
これまでも、このコラムで書いてきたように、空手の稽古では様々な種類の運動を行う。
その場での突き・蹴り・受けや、前や後ろに移動しながら突き・蹴り・受けを行う「基本練習」。相手が持つミットに突きや蹴りを当てる「ミット練習」。相手を想定して1人で受けや攻撃を行う「型(形)」。2人で 対峙 して技の攻防を繰り返す「組手」。そして、体の各部位を動かしたり伸ばしたりするウォームアップやクールダウン、筋力や持久力を高めるサーキットトレーニング……などなど。

ミットに重いパンチを打ち込むルトビノフさん
私が充電池なら、空手は充電器
「空手は、いろいろな種類の稽古で体が総合的に鍛えられるところがいいですね。ウェートトレーニングと違って、全身のすべての筋肉が働いている気がします。健康状態は間違いなく良くなりました。稽古をすると気分も良くなります。これはすごく大事なことで、ポジティブなエネルギーや勢いが高まり、積極的になる。私が『充電池』なら、空手は『充電器』です。空手をすることで、私にパワーが蓄えられるのです」
「私はもう45歳なので、20年前の体力はありません。それでも、最初はできなかったことが、限界を乗り越えて少しずつできるようになると、すごく満足します。忍耐力がつき、自信もつきます。昇級すれば帯の色も変わる。こうして、仕事と家庭と空手の三つが良いバランスで前へ進む。空手は私の人生に間違いなくプラスになっています」
同じく武道を稽古する者として、まったく同感だ。

ミットを持つ側も気を抜けない。相手が蹴りやすい位置や角度、インパクトの瞬間の力の入れ方など、配慮やコツが必要だ。
仕事に直接の影響はないが、人生にはプラス
では、ルトビノフさんの仕事そのものにも空手は良い影響を与えているのだろうか。
「私は大学5年生の時から24年間、ずっと仕事をしています。いろいろな経験をし、スキルを身につけ、それを磨いてきました。仕事の中には難しいものもたくさんありましたが、その度に乗り越えてきました。だから、空手が仕事に直接影響しているかというと、そうではないと思います。でも、先ほど言ったように、私の人生にプラスになっているのは間違いありません」
武道がテーマのコラムなので、本来なら「空手の修行が、仕事そのものにも良い影響を与えている」と書きたいところだが、現実はそういうものなのかもしれない。
たとえば、どこかの社長やビジネスマンが、学生時代の運動部経験について語った文章を読むことがある。「部活では、どんな時でもあきらめずに、勝利を信じて徹底的に練習しました。あの時の経験が今の仕事にも役立っています」といった具合だ。それはそうなのかもしれないが、もしかしたら、その人は、若い頃に運動部に入っていなくても今の仕事を立派にやり遂げていたのかもしれない。結局は、事実かどうかというより、「本人がそう思うかどうか」なのだろう。
私(山口)の場合はどうなのか、ちょっと真面目に考えてみた。
2016年のコラムでも書いたように、元来の気弱な性格は変わっていないにしても、弱いながらも目の前の物事に対処する胆力のようなものは、半分は武道のおかげで身についたと思っている(残り半分は「マインドフルネス」のおかげ)。ただ、仕事そのものに直接、武道が役立っているかというと、正直、分からない。分からないのだが、たぶん、仕事のスキルの向上は、その仕事に真剣に取り組むことでしか成しえないのではないだろうか。
もちろん、ルトビノフさんと同じく、武道のおかげで私の人生が豊かになった、ということは断言できる。これは間違いない。

稽古が終わると、ほうきや掃除機で道場の掃除。これも修行の一つだ。右奥は道場責任者の赤石4段。
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その意味付けや関連付けは妄想か現実か?
寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受
関係妄想という言葉も精神科用語でありますが、実際の関連性の有無は心の持ちようや証拠の文書や物品次第でもあり、線引きの基準次第でもあります。 指先...
関係妄想という言葉も精神科用語でありますが、実際の関連性の有無は心の持ちようや証拠の文書や物品次第でもあり、線引きの基準次第でもあります。
指先が指の骨だけで構成されないように、肉体は様々な物質やチカラ、情報の繋がりがあります。
同じく、個人と組織、個人と地球も様々な形で繋がっています。
脳化社会と言われるように、人間は内部構造を外部構造に反映して社会を作っていきます。
高速道路や新幹線を国の大動脈と表現することもありますね。
情報インフラもそうですが、そういうものが整備される前の人間の集落や国家およびその類似機構は、いわば「もやもや病」のようなものだったのではないかとは思いますが、整備が進むにつれて、仕事や繋がりの意味合いも変わってくるのかもしれません。
知らぬが仏と言いますが、逆にその事が引き起こす問題とも向き合っていかないといけません。
空手愛好家の新聞記者に取り上げてもらえるだけでも、ウクライナの国益に繋がるわけで、仕事に直接プラスが発生しているようにも思いますが、どうでしょうか?
そして、逆算して、プラスになる仕組みを考えていく必要があるのかもしれないですね。
双方の外務省としても、人材やコンタクトポイントは多い方が良いように思いますし、武道やスポーツがその一助になればいいと思います。
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