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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

健康・ダイエット・エクササイズ

ふんわりイワシハンバーグ…つなぎが大事

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 こんにちは。在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 今回は、市販の魚のすり身を利用したレシピのご紹介です。

 魚のすり身は、ひき肉と同様、つなぎが少ないと食感は硬く、 咀嚼(そしゃく) すると口の中でばらばらになりやすくなってしまいます。このつなぎが、どんな役割をしているかは意外と知られていないものです。

 今回は、つなぎに卵、パン粉、豆腐を利用しています。卵は、それ自体のたんぱく質が熱で固まるため、すり身が崩れるのを防ぎ、さらに水分と脂肪分をうまく混ぜ合わせる働きがあるので、出来上がりをふわっとさせてくれます。パン粉は素材の水分を閉じ込め、うまみを外に逃げにくくし、ふっくらとした仕上がりにしてくれます。豆腐とパン粉を一緒に使用することで、豆腐の水分がパン粉を軟らかくし、すり身と混ざりやすくしてくれます。また、魚や肉の臭みを和らげ、あっさりとした味わいにもなります。

 これらの役割を理解していると、他のすり身やひき肉料理を考える際に応用できますね。

 今回のレシピも、ちょっとしたアレンジで多くの人に楽しんでいただけるものになっています。例えば、蒸し焼きではなく、焦げ目をつけて焼けば歯応えが出ます。つなぎの量を減らせば硬さが変えられます。介護食は決して特別なものではありません。

 間もなく訪れる節分。今年は、こんなイワシ・メニューはいかがでしょうか。

[作り方]

(1) 豆腐はキッチンペーパーに包んで5分程度おき、パン粉と混ぜ合わせ、パン粉に豆腐の水分を吸わせておく。

(2) (1)にイワシのすり身、卵、みそ、おろしショウガを加え、粘りが出るまでよく混ぜる。

(3) 手に油(分量外)を付け、(2)を小判形など食べやすい大きさと形に整える。

(4) クッキングシートを敷いたフライパン(直径26~28cm)の上に(3)のタネをのせ、フライパンとクッキングシートの間にお湯100~150ccを入れ、強火で加熱する。沸騰したら蓋をして10分程度蒸す。

〈電子レンジでとろみあん作り〉

(5) (A)の材料を混ぜ合わせ、水溶き片栗粉を加えてさらに混ぜ合わせ、500Wの電子レンジで20秒加熱。いったん取り出してよく混ぜ合わせ、さらに10~20秒加熱する。

(6) (4)を皿にのせ、ダイコンおろし、軟らかくゆでたニンジン、パセリを盛り合わせ、(5)のあんをかけてできあがり。

※イワシのすり身は、サンマのすり身でも代用できます。商品によっては、すり身が粗いものもありますので、より滑らかにするにはフードプロセッサーや、ミキサーにかけましょう。

※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。

 (レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

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