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渡辺専門委員の「しあわせの歯科医療」

エクササイズ・健康・ダイエット

矯正、インプラント、歯周病、入れ歯……新しくできる専門医制度は歯科医選びの決定版になるか?

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 みなさんはどのように歯科医院を選んでいますか? 「自宅や勤務先の近くにある」「口コミがいい」「最新の技術や設備」……といったところでしょうか。

 歯科の学会などが作った「日本歯科専門医機構」という団体が今年3月から、新たに分野ごとに専門医を認証し、公表していく予定です。歯科では主なものだけでも40以上の学会があり、多くが専門医制度を持っています。専門医制度は、元々、歯科医の研さんの動機付けなどが主な目的でした。ところが、今度の専門医は認定の目的からして、これまでと意味が違います。

矯正、インプラント、歯周病、入れ歯……新しくできる専門医制度は歯科医選びの決定版になるか?

日本歯科専門医機構・住友雅人理事長

 「標準的な診療を行うことができる歯科医を専門分野ごとに認定し、国民が受診先を選ぶ時の指標にしていただけるように考えています」と同機構理事長の住友雅人さん(日本歯科医学会連合理事長)は言います。新しい専門医、国民にとって頼りになる仕組みになるのでしょうか。

歯科に専門医があると知っているのは34%

 身近な歯科医院は、一般歯科ということで、虫歯や歯周病はもちろん、入れ歯、インプラント、さらには矯正までやるところもあります。ひとつの分野に特化しているわけではないので、歯科の「専門医」と言われてもピンとこない方も多いことでしょう。

 歯の根の治療、つまり虫歯が進んで神経を抜く治療などを専門にする日本歯内療法学会が昨年、1年以内に歯科を受診した20歳から69歳の1030人を対象に意識調査をしたところ、「歯科に専門医があることを知っている」と回答したのは34%でした。知っている人は知っている、という感じですね。

 近所の歯科医に通っていて、それで問題がなければいいのですが、定期受診しているのに歯周病が悪化した、入れ歯が合わない、歯茎から (うみ) が出てきた、インプラントを考えたい、子供が「不正 咬合(こうごう) 」を指摘された……といった状況に直面すると、やはり、その道の専門家に相談したいと思います。

 医師の場合もそうですが、「専門医」という資格を学会単位で設けてきました。ただ、学会の数が多い。歯科の学会も、インプラントや矯正、歯周病、 (がく) 関節症と名称から内容がわかるものから、保存、 補綴(ほてつ) 、接着、顎咬合など名前を見ただけでは何をやっているのかわからないものまで様々です。

 住友さんは「歯科系学会の中核である日本歯科医学会に加盟する団体だけで43あって、うち37学会が専門医制度を設けています。それ以外の学会となると把握できないほどです。それぞれに専門医認定のレベルがまちまちで、専門医資格の有無と技術が必ずしも一致しません。似たような分野の専門医が併存しているという問題もあります」と歯科専門医の現状を説明しています。

歯周病や小児歯科の専門医は国の公認

 現在、国が認めた専門医として、看板への掲示などが認められているのは、歯科では「歯周病」「小児歯科」「 口腔(こうくう) 外科」「歯科麻酔」「歯科放射線」の5分野です。

 機構では、学会ごとの技術認定基準を審査し、バラツキをなくして質の管理をする考えです。さらに倫理規定やコミュニケーション能力、安全管理、院内感染対策など共通研修項目も設定し、医療者としての資質の向上も目指しています。その認証の第1弾として、日本歯周病学会、日本小児歯科学会など上記5分野の学会から申請を受けて、専門医の認証をしていきます。

 ただ、麻酔や放射線は患者が専門医を選んで受診するという性質のものではないし、口腔外科は、親知らずを抜く場合などかかっている歯科医から紹介されることが多いかもしれません。歯周病が気になる人や、子供にきちんと専門医の診察を受けさせたいという人は、日本歯科専門医機構が認証する歯周病専門医や小児歯科専門医を選んで相談すれば安心ということになるわけです。認証後に、機構のホームページで歯科や診療所名を公表する予定です。

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渡辺勝敏(わたなべ・かつとし)
読売新聞記者(医療ネットワーク事務局専門委員)。1985年入社。 秋田支局、金沢支局、社会部を経て97年から医療を担当。2004年に病院ごとの治療件数を一覧にした「病院の実力」、2009年に医療健康サイト「ヨミドクター」を立ち上げた。歯科については歯茎や歯根があやしくなってきた10年来、患者としても関心を持たざるを得なくなっている。立命館大学客員教授。

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