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のぶさんのペイシェント・カフェ 鈴木信行

医療・健康・介護のコラム

薬局の薬剤師から得られる情報とは

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いい医師を見つけたい時に

 昨日に続いて今日もこのカフェに来た。昨日は、仕事中だったので、話が途中で終わってしまった。そこで続きが聞きたくなり、今日は仕事を早めに切り上げた。

 「のぶさん、昨日、病院の探し方のアイデアを言いかけていたでしょう? 私、最後まで聞けなかったんですよぉ。教えてくれませんか?」

 コーヒーを頼むなり、尋ねてみた。最近、実家で一人暮らしの母が、腰が痛く整形外科に行きたいと言い出しているので、その参考にしたい。のぶさんは、目の前で私のコーヒーの豆をひきながら、笑顔を向けてくる。

 「一言で言うなら、薬局で聞くべし、なんですよ」

 思わぬアイデアに、つい体を乗り出してしまう。多くの処方箋を見ている薬剤師であれば、処方箋を書いた医師の個性が見えてくるという。

処方箋から見えてくる医師の特徴

 処方箋からは、最新の医療情報に基づく薬の組み合わせや、患者の飲み残し分も考慮した処方などもわかる。処方箋の内容に疑問がある場合には、薬剤師が電話をして確認することもあり、その応対によって医師のコミュニケーション力がわかるケースもあるらしい。そんなわけで、薬局の薬剤師は、いい医師がどこにいるかの情報を持っているという。

 もちろん薬剤師の主観が入るし、絶対的な話ではないだろう。患者と医師の相性も一人ひとり違う。

日頃からいい関係を結んでおく

 のぶさんの話は続く。病院探しの段階になってから、はじめて薬局へ行くのではなく、日ごろから行きつけの薬局と、健康について相談できる薬剤師を決めておき、仲良くなっておくことが大切なんだそうだ。

 この話は以前にも聞いたことがあり、母にも伝えた。母はそれ以来、薬局を1か所にまとめて、親切な薬剤師と出会えているというから、大丈夫そうだ。しかし、腰が痛いというのに、わざわざ薬局へ行くのも大変だよな、きっと。

相談は電話やメールでも

薬局の薬剤師から得られる情報とは

患者側が相談すれば気軽に応じてくれる薬剤師は多い(埼玉県川口市の厚川薬局で)

 「薬局の薬剤師と顔なじみになっているのなら、とりあえず電話とかでもいいと思いますよ」

 のぶさんは言う。

 薬局は、健康に関する相談に乗るのも仕事のひとつなので、まずは電話やメールで相談すればいいという。そして、相談に乗った薬剤師は、医師にかかるべきか、医師の処方箋なしで買える一般用医薬品でいいか、あるいは出かけずに自宅で安静にしているのがいいかなどを、一緒に考えてくれるそうだ。医師にかかるように勧められたならば、その際に、どこのクリニックや病院がいいかなども教えてもらえばいいという。

病院選びの参考意見として

 なるほど。持病のある母のようなケースに限らず、今の季節は自分や子どもたちにとっても風邪などの症状が出やすい。そういう場合にも、時系列にいつごろからどういう症状が表れたかをまとめて、電話で相談すると、薬剤師はわかる範囲で情報をくれるそうだ。

 もちろん、医師による診断ではないし、電話だけでは限界もある。一つの参考意見ということになるが、素人の私たちが考えるよりは役立つことが多いだろう。

「逆に、口コミには注意してくださいね」

 のぶさんは言う。親切に病院を紹介してくれる友人もいる。しかし、その友人がいいと思う病院と、自分のそれとは違う可能性がある。

 病院を選ぶ際にも、薬剤師の専門的な視点を活用するのか。なるほど。冷めたコーヒーを口にしながら、母へSNSでこの話を送ってみたところ、すぐに開封したようだ。母に合った病院を見つけられることを期待している。

(鈴木信行 患医ねっと代表)

 下町と言われる街の裏路地に、昭和と令和がうまく調和した落ち着く小さなカフェ。そこは、コーヒーを片手に、 身体(からだ) を自分でメンテナンスする工夫やアイデアが得られる空間らしい。カフェの近所の会社に勤める49歳男性の私は、仕事の合間に立ち寄っては、オーナーの話に耳を傾けるのが、楽しみの一つになっている。

(※ このカフェは架空のものです)

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鈴木信行(すずき・のぶゆき)

患医ねっと代表。1969年、神奈川県生まれ。生まれつき二分脊椎の障害があり、20歳で精巣がんを発症、24歳で再発(寛解)。46歳の時には甲状腺がんを発症した。第一製薬(現・第一三共)の研究所に13年間勤務した後、退職。2011年に患医ねっとを設立し、より良い医療の実現を目指して患者と医療者をつなぐ活動に取り組んでいる。著書に「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方」(さくら舎)など。


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