一病息災
闘病記
[歌手 丸山圭子さん]卵巣嚢腫(のうしゅ)(1)心身消耗 貧血が悪化
いつからか、ひどい貧血に悩まされるようになった。
予兆はあった。月経のたびに、考えられないほど大量の出血が続いていた。
痛みが伴うわけではない。「生理が過ぎれば――」と自己診断し、医療機関には行かなかった。
1995年のこと。
2年前に、2人目の子どもを授かったが、その頃から、夫との関係が悪化し、離婚調停が続いていた。
一人で子どもを育てていく責任とプレッシャー、そして果てしないストレス……。心も体も、極限まで疲れている時期だった。
女性シンガー・ソングライターの草分けとして72年にデビューし、4年後のシングル「どうぞこのまま」が爆発的なヒットとなった。その後、結婚・出産し、84年以降は音楽活動から遠ざかっていた。
貧血は悪化し、少し階段を上っただけで息が切れてしまうようになった。
意を決して、地元の病院で検査を受けたら、卵巣に大きな腫瘍が見つかり、即入院となった。医師からは「なぜ、ここまで放置したのか」と 叱責 された。
良性の卵巣腫瘍なら、出血を伴うことは少ない。
医師は最悪の事態も想定したようだが、本人はひたすら病院のベッドで眠り続けていた。自らの病名にも関心が向けられないほど、心身が消耗していた。
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歌手 丸山 圭子さん(65)
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