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市民公開講座 「甘くみてはいけない、“転倒”」

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【甘くみてはいけない、“転倒”】(2)ぶつからなくても頭蓋内出血 薬の情報を周囲に伝えて

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山口大学脳神経外科教授 鈴木倫保さん

 転倒を100%防ぐことはできません。なるべく減らすことと、転倒したらどうするかをきちんと考えておくことが大切です。

 高齢になると、若い時と比べて脳の隙間がかなり多くなります。頭を打つだけではなく、激しく転倒すると、自分の頭蓋骨と脳が大きくずれて、隙間の血管がちぎれたり、自分の骨に自分の脳がぶつかったりして、出血することがよくあります。

 診察では、患者が飲んでいる薬が抗血小板薬か、抗凝固薬かを確かめます。薬によっては、出血しやすくする薬の働きを止める中和剤があります。中和剤をうまく使えば、頭蓋内の出血が重症化する確率を下げられます。

すずき・みちやす  1979年、東北大学医学部卒。岩手医科大学助教授などを経て現職。日本脳神経外傷学会理事長。64歳。

日本医科大学救急医学教授 横田裕行さん

 長く救急医療に携わっていますが、最初から患者が飲んでいる薬が分かった上で、治療に臨めるのは5人に1人もいません。本人は意識がないかもしれないので、何を服用しているか、家族や周囲の人が知っておいてほしいですね。

 高齢者が大きなけがをする一番の原因は、転倒です。家の中で転倒することが最も多く、滑り止めや手すりをつけることで防げます。総務省消防庁のデータでは、家の中で起こる事故の1位は転倒、2位が階段から落ちる転落です。

 救急搬送されてきた人のうち抗血栓薬を服用中の人の割合は毎年増えています。患者さん全員の薬の情報が分かっていれば、元気になってもらえる確率も高まります。

よこた・ひろゆき  1980年、日本医科大学卒。同大千葉北総病院救命救急部長などを経て現職。今年2月まで日本救急医学会代表理事。64歳。

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