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産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」

コラム

35歳の男性係長、ストレスと過労でパワハラスイッチON

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 28歳の富山さん(仮名)はメーカー営業部に勤務して6年目の社員です。会社が行う毎年の「ストレスチェック」で、彼は「高ストレス」と判断されました。先輩との葛藤もあったので、産業医による「高ストレス者面談」を希望しました。以下は、産業医とのやり取りです。また、後日、彼の上司である鈴木係長(仮名)も、「高ストレス」なので面談に訪れました。

係長は感情的な人、言葉がきつい

イラスト 赤田咲子

イラスト 赤田咲子

私(産業医):ストレスが過剰ですね。

富山さん:上司の係長がキツイ人で。

私   :それで。

富山さん:仕事はできる人なんですが、感情的になりやすいので。ピリピリしてしまいます。

私   :そうか。

富山さん:機嫌が良い時はやりやすいですが。

私   :ムラがあるんだ。

富山さん:勘ですが、ストレスがある時、感情に走るようです。

私   :具体例を挙げていただけますか。

富山さん:営業報告をすると、「結果がもうひとつ。なぜ先月より落ち込んだ!」ときつく言われます。

私   :それから。

富山さん:「次からどうするんだ。対策を説明してくれ」と指示されました。私が説明すると、「それでは営業戦略にならないぞ。甘い」と否定されてしまいます。

私   :それで。

「根性」「たるんでいる」とか精神論で責められる

富山さん:不機嫌になり、「富山、言いたかないけど、精神がたるんでいるから、結果が出ないんだ」とイライラしながら言います。

私   :たるんでいる?

富山さん:それが終わると、大きな声で「根性を入れなおさなければいけない」と。私が「どこがたるんでいるのですか」と聞けば、「わからないのか、それが問題だ」、「気合が入っていないぞ。たるみを直せ」と叱責されました。

私   :人格を侮辱していますね。指導というより、精神的攻撃ですね。

富山さん:この間、おおよそ40分くらいです。係長が、何を言いたいのか、わからないです。こんなことが数回ありました。

繰り返される、長時間の精神攻撃はパワハラ

私   :40分も……長いですね。それを繰り返し言う。パワハラが考えられますね。

富山さん:パワハラだと思います。

私   :富山さんが言っていることが事実であれば、上下関係にある係長からの精神的攻撃。しかも、それを繰り返し、40分と長時間ですからパワハラに該当すると考えます。

富山さん:会社へ行くのがつらい。朝、 動悸(どうき) がして息苦しくなります。

私   :わかります。人事と相談して、しかるべき対応を考えます。

富山さん:よろしく、お願いいたします。

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夏目誠(なつめ・まこと)
 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会前理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。ブログ「ストレス点数の夏目」はこちら

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2件 のコメント

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典型的なパワハラですね。パワハラする人って、家庭での問題抱えたりするものですよね。性格が根から悪いから、どこでも自分中心。会社では、立場の低い相手を陥れてストレス解消。対等な妻には、家事を手伝うとか、言葉だけで口を濁すなんて。産業医の方のアドバイスは、耳に入っていかないのが、わかります。パワハラする人は、他人の些細なミスも、許せない。注意する時、どうやったら相手にわかってもらえるかを考えずに一方的に注意する。夫婦で家事を協力するという考えがなく、妻の気持ちを考えていない。他人の事を考えられず、威圧感を持つ人が出世する社会は、問題だとおもいます。

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自分が育った環境が普通だと思っていると、同じことを下に強いたりしますね。 別に、仕事や家庭、育児の在り方などそれぞれだと思いますが、むしろ、自分...

自分が育った環境が普通だと思っていると、同じことを下に強いたりしますね。
別に、仕事や家庭、育児の在り方などそれぞれだと思いますが、むしろ、自分のやっていることを正当化する発想しか出ていない方がこの係長の問題だと思います。
自分の価値観や働き方のコピーを作りたがる人は医療業界にも多いです。
また、問題は必ずしも上司や同僚だけではなく、顧客や就労環境にある場合もあります。

問題は会社や社会に存在する、そういう問題と若者がどうやって向き合って生き残っていくかですね。
その手の問題がいきなり解決されることは少ないです。
認識と価値観の問題ですから。

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