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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

締めつけるなら「緊張型」、ズキズキなら「片頭痛」、殴られたようなら緊急事態…あなたの頭痛を知ろう

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 「頭痛」を経験したことがないという方は、そんなにはおられないだろう。肩こりがひどいと後頭部が痛くなるし、目の異常によって引き起こされる頭痛、ストレスによる頭痛だってある。二日酔いもしかり、日常的な痛みなのである。現代人にとって頭痛の種は尽きないのだ。米国では「成人の73%が、1年間に何らかの頭痛を経験している」とする調査結果が示されており、わが国でも多くの方々が頭痛に悩まされているだろうことは想像に難くない。

頭のどこが痛いかと聞かれても…

 しかし、である。頭痛に悩んでいる方が適切な治療を受けているかについては、「そうではない」とするアンケート結果がある。多くの方々が「何もせずにじっと耐えている」「薬局で○○という薬を買っている」(それぞれ○○にはお気に入りがある)と答えているのだ。雑誌やテレビ番組が頭痛特集を頻繁に取り上げているにもかかわらず、である。

 頭痛患者さんの病院離れを引き起こしている理由のひとつとして、医師の頭痛に対する関心の低さが挙げられる。たとえば、片頭痛であっても、「検査で異常がないのだから、とにかく痛み止めを出しておきましょう」である。日常生活に支障を来していても、生死に関わるような所見がないんだから問題なし、なのである。これにより「病院に行ってもどうせ同じ……」となってしまうのだ。

 また、医師から頭痛がする場所を尋ねられ、はっきりと答えられなかった経験をお持ちの方も少なくはないだろう。これは頭痛情報を伝えている神経が、皮膚などからの情報を伝える神経とは異なることに起因する。指を切るなどのけがをした時、熱湯を浴びた時には、痛みが存在する場所を明確に指摘することが可能である。一方で、内臓に異常が生じた場合、その場所は漠然としていることが多く、胃潰瘍では「みぞおちの辺り」、胆石症では「背中かなあ」、となる。頭痛も同様に、痛む場所がはっきりしないのである。

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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1件 のコメント

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種々の頭痛のメカニズムと救急疾患の鑑別

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

ズキズキズキズキ・・・言ってると、一休さんが出てきそうな世代です。 そういえば、勘違いなどを抜きにして、現実世界のまともな女の子からの告白とかラ...

ズキズキズキズキ・・・言ってると、一休さんが出てきそうな世代です。
そういえば、勘違いなどを抜きにして、現実世界のまともな女の子からの告白とかラブレターとか縁がありません。
誘導尋問とかなら経験あるんですけどね。
一方で、そういうけもの道はありがたくないものの才能のタネなのかもしれません。

どんなにしんどくても、笑いがストレスを軽減したり、困難な状況を打ち破ったりすることがある一方で、偽りの笑顔ばかりではストレスも溜まります。
仮面様顔貌なんて医学用語もありますが、まだ論理が解明されていないだけで、関連性があるのかもしれません。

さて、頭痛の分類に関しては、運用が難しいですね。
片頭痛で片づけられた、診断の甘いものや雑な投薬を臨床の現実としてしばしば見かけますが、いわゆる神経内科的な頭痛の分類もそうですし、症状が治まればいいと普通の人は考えるわけで、生活習慣や首から下の問題からくる頭痛の精査はなかなか進みません。MRIだけでなく、核医学検査となれば、もっと大掛かりで施設も限られてきます。

医師サイドとしても非専門医では難易度と手間の問題がありますし、患者さんの理解が難しいからです。
逆に、本人や家族が納得しているなら、細分化した基準に必ずしも従う必要もないのかもと思います。
一方で、それらの頭痛に隠れた救急疾患や合併症の鑑別の為にも中高年は特に定期的なMRI精査の意識付けは進んで欲しいとは思います。

好き、愛してる、という言葉だって相手や表情、リズムによって、あるいは受け取り手の状況によってはストレスや不快感に変わります。
文字や意味、リズム、声質なんかが、脳内の物質伝達や情報伝達に変換される不思議です。
種々の頭痛のメカニズムやリスク因子を逆から考えれば、暴言や仕事のプレッシャーをコントロールするヒントになるのかもしれません。

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