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宋美玄のわーままクリニック

コラム

あの「大物男性政治家」も来年は育休取得を!…出生数90万人割れに思う

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 気づけば、今年もあと1週間。毎日を乗り切るのが精いっぱいで、新しい年を迎える準備など全然できていません。時代が平成から令和に移り、働き方改革も家事育児の男女共同参画も(論調としては)当たり前になってきた2019年ですが、最も重大なニュースを個人的に選ぶとしたら「出生数90万人割れ」です。

出生率がV字回復したとしても…

 少子化が叫ばれて久しいですが、出生数は長らく100万人を保っていました。それが16年、ついに100万人を下回り、その後たった3年で90万人を切りました。出生率は05年に1.26で底を打って以来、しばらく上昇傾向にありましたが、この3年は連続して低下し、18年は1.42でした。

 仮に、これから出生率がV字回復したとしても、出生数はおそらく、当分減り続けるでしょう。第2次ベビーブーマーが40代半ばになって生殖可能年齢から卒業しつつあり、代わって参入してくる若い層は、ベビーブーマーに比べて半分くらいの人口しかありません。近い将来、出生数は80万人をも切ることでしょう。もしかしたら、いつか70万人を切るかもしれません。

 地域差はあれど、私の同業者である産婦人科医たちは、「お産が減ってきている」と実感しているようです。この10年間、産婦人科医と言えば、医師が不足して過重労働であること、出産ができる施設が減り続けていることが話題となっていました。産婦人科医の仕事は出産だけではないので予測しづらいですが、このまま出産が減ると、医師の不足感は解消されてくるかもしれません。同様に保育所不足もいずれ緩和されてくるでしょう。

30年間も「少子化対策」を試みてきた結果

 日本では、1989年の出生率が、ひのえうまだった66年を下回った「1.57ショック」以来、実に30年間も「少子化対策」が試みられています。が、少子化担当大臣が目まぐるしく変わったり、予算が不十分だったりと、残念ながら本気を出したとは言い難く、第2次ベビーブーマーは第3次ベビーブームを起こせませんでした。

 目に見えて出生数が減った今になって、「対策を急げ」という意見も出てきますが、残念ながらすでに手遅れだと私は思います。第2次ベビーブーマーが生殖年齢である間が、人口急減を緩和するラストチャンスと分かっていながら本気を出さなかったところを見ると、本腰を入れた対策を期待するのもむなしいというのが私の気持ちです。妊婦さんや子供向けの産業は、数年で再編せざるを得なくなると思います。いずれは、全産業に影響が出ることでしょう。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。
1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくは こちら

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1件 のコメント

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もっと違うことをやるべきなのではないか?

ももちゃん

育休や男性育児参加も大切かもしれませんが、不妊治療にもっと手厚い支援をすぐにでも着手すべきだと思います。今の時代、約15人に1人の赤ちゃんが体外...

育休や男性育児参加も大切かもしれませんが、不妊治療にもっと手厚い支援をすぐにでも着手すべきだと思います。今の時代、約15人に1人の赤ちゃんが体外受精で生まれているのにその体外受精を受けるのには全額自費で色々な費用を含めると1回70万くらいから高い病院では100万以上かかります。助成金はあるにしてもすずめの涙にすぎません。経済的に不妊治療をやりたくてもできない方もたくさんいるはずです。不妊治療を受けているのは40代以上の人だけではありません。なぜ国や自治体は少子化対策に不妊治療に重きを置かないのでしょうか?妻が20代や30代の人には助成金を増やしたりや体外受精でも一部を保険適用にするなどの対策をすればもっともっと治療できる人も増えて少しでも少子化の改善はできると思います。子育て支援はあくまでも子供が生まれてからの話で、まずはその前段階をきちんとすべきことを政治家や各自治体の議員はいち早く気付くべきです。

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