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夫と腎臓とわたし~夫婦間腎移植を選んだ二人の物語 もろずみ・はるか

医療・健康・介護のコラム

「美肌」「小顔」へ…私の容姿コンプレックスを吹き飛ばしてくれた夫の腎臓

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「朝と晩で顔が変わるね」

 私のこともお話ししよう。

 「きみ、朝と晩で顔が変わるね」

 10年前、目上の方にそう言われ、あまりにも恥ずかしくて両手で顔を隠したことがあった。ネフローゼ症候群を患っていた私は、疲れると目、口角、輪郭に「疲労線」が出た。むくみで目の下は腫れ、朝にはなかったはずのクマが表れた。深いほうれい線ができ、ひどい時は、むくみで顔の輪郭まで変わってしまっていた。

 夜になると、軽く5歳は年を取って見えたと思うし、その人の言葉も、そんな私を気にかけてくれてのことだった。

 「疲れた顔は、周囲も疲れさせる」と思っていた。だから、「もろちゃん、どうしたの、疲れてるね」と言われるたびに申し訳ない気持ちになった。今でも人と目が合うと反射的にほほえむ癖があるのは、笑って「疲労線」をごまかすためだ。

 メイクには20~30分を要していた。ステロイド治療を受けていた時は、顔に30個もニキビができ、これはもうごまかしようがなかった。顔だけでなく、夜になるとパンパンにむくむ手足や、乾燥して肌の表面が (うろこ) のようになり、白い粉となって服にこびりつくも悩みの種だった。

容姿コンプレックスからの解放

 それが、である。腎移植後、私の平均メイク時間は3分。眉と口紅と、気になる部分にコンシーラーを塗って終わりだ。ファンデーションやチークを手放しても不安はなくなった。

 末期腎不全の時、自分の容姿を気にして険しい顔をしていると、夫は私の眉間に人さし指と中指で触れてナデナデ。シワにアイロンをかけるように“手当て”してくれていたのだ。

 「見た目なんていいじゃない。旦那がいるんだからさ」と、あの頃何度も言ってくれた夫のためにも、きれいでいたいな。(もろずみはるか 医療コラムニスト)

監修 東京女子医科大学病院・石田英樹教授

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もろずみ・はるか

医療コラムニスト
 1980年、福岡県生まれ。広告制作会社を経て2010年に独立。ブックライターとしても活動し、編集協力した書籍に『成約率98%の秘訣』(かんき出版)、『バカ力』(ポプラ社)など。中学1年生の時に慢性腎臓病を発症。18年3月、夫の腎臓を移植する手術を受けた。

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