旅行先で失神し便失禁
旅行先のホテルで失神し、便失禁しました。過去にもトイレや廊下で失神したことがあります。MRI(磁気共鳴画像)検査で異常はありません。体調は悪くないものの、血圧は低めです。原因や対処法を教えてください。(78歳女性)
自律神経の乱れ 疲労に注意
古川 俊行 聖マリアンナ医科大学東横病院失神センター長 (川崎市)
脳に流れる血液が減少して意識がなくなることを失神といいます。原因は、自律神経に由来するものと、心臓や血管の異常に伴うものに大きく分けられます。
質問者の失神は、自律神経に由来する「反射性(神経調節性)失神」ではないかと考えられます。反射性失神は、朝礼や満員電車で起こる失神が思い当たるかもしれません。何かのきっかけ(トリガー)で自律神経のバランスが乱れ、失神します。朝礼や満員電車の失神は、長い間立っていることがトリガーとなります。
質問者の場合はトイレで失神しており、排せつがきっかけになっています。他にも痛みや緊張、精神的なショックなどが引き金になることがあります。
この失神は、疲労や脱水などがあると起きやすいので注意が必要です。不快感や冷や汗など、前触れとなる症状が表れた時には、早めに座ったり横になったりするなど、安静を心がけてください。
普段から血圧が低くても、めまいやふらつきといった低血圧に典型的な症状がなければ、この失神との関係はありません。反射性失神は命に関わらないものですが、繰り返し起きたり心臓に持病があったりする場合、危険な不整脈が隠れている恐れもあります。循環器内科の受診をお勧めします。