文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

社会

社会

知的障害者の縁結び…長崎の社福法人 40組成立手助け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

デート→結婚→育児 ずっと支援

 障害者の就労や生活を支援する長崎県諫早市の社会福祉法人「南高愛隣会」が、知的障害のある男女の結婚支援に取り組んでいる。生活圏が狭くなりがちで、異性と接する機会が少ないためだ。

 出会いの場づくりから夫婦生活や育児の相談まで切れ目なくサポートしており、全国でも珍しい試みという。これまでに約40組の結婚・パートナー関係が成立し、計4人の子どもが生まれた。

☆告白実った

 「お茶飲み友だちから、お願いします」

 諫早市のホテルで10月27日に開かれた知的障害者の婚活イベント。男性(62)が恥ずかしそうな顔で、女性(57)に告げた。女性が笑顔で応じると、約70人の参加者から大きな拍手が上がった。

 イベントは同法人の結婚推進室「ぶ~け」が毎月開催している。この日は、参加者たちが食事をした後、気になった相手の名前を紙に書くなどして、法人職員の仲介を受けながら交流。成立したカップル2組が壇上で紹介された。

 離れて暮らす恋人同士の交流の場にもなっており、会場にいた30歳代のカップルは「イライラした時や寂しい時、電話で声を聞くと落ち着き、頑張ろうと思える。一緒に成長し、家族になりたい」と声をそろえた。

☆会員180人

 ぶ~けは2003年、当時の理事長の田島良昭さん(現顧問)が、知的障害者のカップルを見て「愛する人と一緒に暮らしていると表情が輝く」と感じたことをきっかけに開設された。未経験のことに対応するのが苦手な人が多いため、出会いの場を提供。身だしなみやデートの仕方、男女の体の違い、好ましい触れあいについても伝授する。

 現在、会員は20~70歳代の約180人。県内在住者が主で、南高愛隣会の事業所以外の知的障害者も登録している。結婚支援を受けたいと福岡や関東から移住した人もいるという。デートや夫婦・パートナー生活への助言を受ける会員は月2500円の会費が必要だが、婚活イベントの情報を受けるだけなら無料だ。

☆同居実習も

 結婚を望むカップルには、法人のグループホームで一時的に同居する「生活実習」も行っている。困難な状況に直面した時、うまく対処できないこともあるため、結婚後は職員が定期的に訪問。出産後は育児のアドバイスもする。

 企業や就労支援事業所などで働きながら、見守り付きのアパートや一戸建てに暮らし、子育てをしている夫婦もいるという。ぶ~けの責任者で法人理事の松村真美さん(57)は「好きな人に出会い、ともに暮らしたいという願いを後押ししたい」と話す。

 障害者支援に詳しい明星大の平井 たけし 客員教授(特別支援教育)は、「知的障害者は家や学校、職場など生活圏が狭く、出会いの機会が少ない。一方で、ぶ~けのように出会いから子育てまで連続した支援を行っている例はほとんどなく、各地で行政も含めたサポートを広げることが大切だ」と話す。

障害者団体や民間も

 障害者団体や民間の結婚相談所が障害者の結婚を支援する例もある。

 大分県身体障害者福祉協会は今年4月から、身体や精神、知的障害者をはじめ健常者も登録できるパートナー探しの事業を始めた。登録者は障害の状況や趣味などを記入したプロフィルを協会で閲覧できる。交流イベントも開催している。

 一般社団法人チャレンジド・マリッジ(名古屋市)は2017年から、身体、精神障害者を対象に結婚相談事業を展開。全国約20か所の結婚相談所が加盟している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

社会の一覧を見る

最新記事