がんを語る
医療・健康・介護のコラム
子宮頸がん(上)排尿障害、リンパ浮腫、性機能の悩み… 手術前には想像できなかった様々な後遺症
手術前の自覚症状はあまりなく
――がんが見つかったきっかけは、皆さん違うようですね。河村さんや鈴木さんは、自覚症状はあまりなかったと。
佐藤 後から考えると、自覚症状はありました。結婚記念日のお祝いで行った旅行で出血をして、主人には生理だと説明したんですけど、なんか怪しいぞという不安がよぎったことはありました。
鈴木 私も今思い返せば、おりものは確かに多かったし水っぽかったっていうのはあって。手術前にいろいろ検査した時に、「これはがんの影響だね」って主治医に言われて、初めて自覚症状に気づきました。
佐藤 生理が重いというのはどんなところ?
河村 鎮痛剤を飲んでしまえば、仕事を休むなど生活に支障ありませんでした。生理も定期的に来ていて、出血もなかったです。今思えば、原因不明の腰痛に悩まされていて、 鍼 治療をしていました。がん治療後、腰痛は消えてしまったので、自覚症状だったのかなと思う程度です。
鈴木 私は、病気になる前は、子宮頸がんは、がんの中でも軽いがんだというイメージを持っていました。
佐藤 そういう世間のイメージがあるのがつらいところです。20、30歳代の女性のお客さんに子宮の病気などの話をしても、「生理がなくなれば面倒臭くなくていい」とか、「避妊しなくて済む」とか言う人もいました。私も河村さんの講演を聴いて初めて、子宮頸がんの後遺症のことを知ったのですから、世の中、知らないことの方が多いんだなと思います。
河村 私のがん啓発の講演を聴いた方から「講演後、娘に子宮がん検診を受けさせたら、がんが早期に見つかりました」と声をかけられたこともあり、もっと広めなくてはならないと思いました。
鈴木 本などでは手術の方法は書いてあっても、手術後に実際どのように患者が生活しているかまでは書いていないじゃないですか。自分がどうなってしまうのか、社会復帰できないんじゃないかと、手術後の自分が想像できませんでした。
佐藤 看護師さんでもそうだったんですね。
鈴木 私は腺がんと 扁平 上皮がんのミックスで、腺扁平上皮がんという珍しいタイプなんです。ネットにも出てこないし、文献にも出てこないので。自分と同じタイプのがんの人が本当に生きられるのか、という不安がありました。
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