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がんを語る

医療・健康・介護のコラム

子宮頸がん(上)排尿障害、リンパ浮腫、性機能の悩み… 手術前には想像できなかった様々な後遺症

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 「がんを語る」第6回のテーマは子宮 (けい) がんです。20歳代後半から増え始め、40歳代の若い女性を中心に発病することから、がんの治療そのものの問題に加え、手術に伴う排尿障害やリンパ浮腫、性機能障害をはじめとする後遺症が、仕事や結婚、出産などその後の生活に大きな影響を及ぼします。今回は、女性のがんをサポートする認定NPO法人「オレンジティ」理事長の河村裕美さんら3人の患者に治療や後遺症の悩み、患者会での活動などについて語っていただきました。

子宮頸がん(上)排尿障害、リンパ浮腫、性機能の悩み… 手術前には想像できなかった様々な後遺症

 子宮頸がん  (ちつ) に近い子宮の頸部にできるがんで、子宮体がん、卵巣がんと並ぶ婦人科のがんの代表。1年間に約1万1000人の新規患者があり、2700~2800人ほどが亡くなっている。発症にはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関係している。手術後の合併症として、脚などがむくむリンパ浮腫や排尿障害、卵巣を切除することによる更年期様症状、性機能の障害などを伴う。

参加者 (敬称略)

子宮頸がん(上)排尿障害、リンパ浮腫、性機能の悩み… 手術前には想像できなかった様々な後遺症

結婚1週間目にがんの宣告 離婚を申し出た私に……

――まず、それぞれの病気の経過について教えてください。

河村 1999年7月、結婚したばかりの時でした。夫と「子どもはどうしようか」といった将来の話の中で、ふと来週から生理が始まることを思い出しました。「最近ちょっと生理が重い感じ」と言ったところ、夫から「一度病院行ってみたら」って軽い感じで言われ、地元の開業医を受診しました。私自身は、ホルモンバランスが崩れている程度だと思っていたのですが、受診したところ、子宮頸がんだと告げられました。

河村裕美さん

河村裕美さん

 その夜、実家の母にがんの宣告のことを電話で伝えたところ、母は開口一番「離婚しなさい。(夫を)自由にしてあげよう」って。私もその通りだと思い、夫に離婚を切り出しました。すると夫は「別に今、子どもがいない家庭なんていくらでもある。一緒に生きていこうよ」と言ってくれました。結婚して1週間目のことです。その後、セカンドオピニオンを受け、1か月後の8月には、東京のがん専門病院で子宮頸がんの1b期で腺がんと診断され、子宮と卵巣、周囲のリンパ節を切除する広汎子宮全摘手術を受けました。

 自覚症状はほとんどありませんでした。生理が重いと言っても市販の鎮痛剤を飲めば普通に仕事もでき、よく言われる出血もなかったので、全く気がつきませんでした。 

佐藤 私は自宅でエステサロンを経営していて、40歳を前にお見合い結婚をしてから1年がたった頃、子宮頸がんが見つかりました。実は全くの偶然だったのですが、がんと診断される3日前、都内で開催されていた「もっと知ろう!子宮頸がん」というセミナーに参加して、河村さんの講演を聞いていたんです。仕事で多くの女性のお客さんに接することから、女性の健康や病気について知っておこうという動機だったのですけど、そこで初めて子宮頸がんの治療や後遺症についての話を聞いて衝撃を受け、ノートにびっしりとメモを書いて帰宅しました。

 講演を聴いた3日後に、区のがん検診を受けた病院から電話で呼び出され、子宮頸がんという告知を受けました。講演で聴いたひとごとであった子宮頸がんの話が「自分事」になったことの衝撃は大きく、動揺もありましたが、反面、講演でのメモが役に立ち、落ち着いて夫と話し合いをすることができました。

 当時はエステサロンを法人化してちょうど1年目だったのですが、世の中の不景気もあり、治療後1年で会社をたたむことになりました。長男である主人とお見合い結婚したのに、嫁の務めを果たせない負い目もあり、自分の天職だと思っていたエステ経営の断念、経済苦などの悩みを、一人で抱えてしまいました。がんの治療以上に、その後の生活においての精神的負担の方がすごくつらかったですね。

鈴木 結婚してから1年半後の35歳の時に、職場の健診でがんが見つかりました。自覚症状は全くありませんでした。私は看護師なのですが、子宮頸がんについては詳しい知識がなくて、子宮を全摘するような病気ではないと勝手に思い込んで、「がんだけど軽く済んでよかった」というのが最初の思いでした。ただ、「がん」という言葉の重みはすごくあったし、目の前が真っ白になってしまい、夫や親にどうやって伝えたのか今でも思い出せません。

 怖くて自分自身では病気のことを調べることができず、夫がいろいろと調べてくれました。子宮の全摘が必要だと診断されたのですが、他にも方法があるのではないかと、4か所の病院を巡りました。そしてまだ臨床研究段階である子宮、卵巣温存手術を選びました。

 手術の後遺症でリンパ浮腫や排尿障害、性機能障害が今もあるのですが、自分で後遺症とうまく付き合えるようになったのは、手術から3年以上たってからです。不妊治療もしたのですが、子どもには恵まれず、今は特別養子縁組の道を考えています。

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がんを語る
男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる時代です。このコーナーでは、がん種別に患者や経験者を招き、病との向き合い方を話し合います。
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