教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。
医療・健康・介護のニュース・解説
いまどき脚気 どうして?
極端な栄養の偏り原因
Q 埼玉県警川口署の留置施設で20~30歳代の4人が 脚気 と診断されたというニュースが11月にあったよ。脚気ってまだあるんだね。
ヨミドック 毎日食べていた弁当の栄養が偏っていたようです。脚気はビタミンB1の欠乏で起こります。欠乏が続くと、心不全や 昏睡 状態になり亡くなることがあります。大正時代は、年間1万~3万人が死亡していた怖い病気でした。栄養がひどく偏ると、今でも起こり得ます。
Q どんな症状が出るの?
ヨ 末梢神経が傷つき、足の感覚が鈍くなります。膝頭をたたく検査を受けた人がいるかもしれません。脚気で反射が弱くなっていないかを調べたんです。ほかにも、心臓の機能が低下し、足にむくみが出てくることがあります。脳にも影響が出ます。ぼーっとしたり、歩くのがおぼつかなくなったりする「ウェルニッケ脳症」になることもあります。
Q どうすればいい?
ヨ 普通に3食食べていたら心配はありません。体内でビタミンB1の消費量が増える「甲状腺機能 亢進 症」などの病気の人は、注意しましょう。お酒を多く飲む人は、食事が偏りがちになり、ビタミンB1の吸収が減ったりします。
Q ふーん。
ヨ 実は、脚気まで行かなくても、ビタミンB1不足の人は多いんです。厚生労働省の調査(2017年)では、ほぼすべての年代の平均摂取量が、必要量を下回っています。ビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生する時に欠かせません。不足すると疲れやすくなったり、太りやすくなったりします。豚肉や大豆、魚卵、玄米、ナッツ類など、ビタミンB1の多いものを食べましょう。

Q そうか。食事って大事なんだね。
ヨ 菓子パンやスナック菓子で済ませていませんか。食生活が偏ると、ビタミンやミネラルも不足します。汁物、主菜、副菜2品の「一汁三菜」が理想です。
丼物や麺類など単品が続く時は、卵をトッピングしたり、サラダや野菜ジュースを取り入れたりしましょう。
(影本菜穂子/取材協力=鈴木里彩・東京医科歯科大総合診療科医師、浜裕宣・慈恵医科大病院栄養部課長、赤石定典・同係長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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