街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
いすから車いすへ移るときのお手伝い…基本は同性の介助 自信がなければ複数で協力を
「1、2、3」などのかけ声で
次に、首に腕を回す形で寄りかかってもらい、介助者はご本人の腰のベルトをつかむか、腰の下の辺りで手を組んで、「1、2、3」などのかけ声とともに手前に引き寄せ、後ろに引いた足に重心を移して立ち上がります(写真3)。この時、介助者の顔の向きは、車いすが見えるようにします。
立ち上がったら、ご本人のお尻が車いすの方に向くように回転し、車いすに座れる位置まで移動できたら、「座ります」と声かけをし、介助者も両ひざをしっかり落として一緒にしゃがみます(写真4)。その後、必要に応じて、深く座りなおすお手伝いをし、フットサポートの上に足を乗せます。
自信がなければ無理せず協力を求めて
上記のお手伝いを1人で行う自信がない場合は、無理せずに協力者を呼びましょう。力のある人や経験のある人に代わってもらったり、他の人に頼んで、立たせると同時に車いすを座りやすい位置に持ってきてもらったりするなど、車いす使用者の安全を第一に考えて工夫します。
この方法は、体調がすぐれない人やけがをした人を車いすに乗せる際にも使えます。
ただし、介助の方法は様々です。その人の状態によっては、車いすを希望の場所に置くだけでよいかもしれません。その場合も、移動しやすい場所は人によって違います。ご本人が望む方法を、対話をしながら進めていくことが重要です。
介助技術に関する知識も必要ですが、最も大切なことは相手との対話ですので、ぜひしっかりとコミュニケーションを取ってお手伝いしてください。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。
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