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風疹患者 8割は男性…40~57歳 抗体検査促す

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 昨年夏以降、男性を中心に風疹患者が増えている。厚生労働省は今春から、これまで公的に予防接種を受ける機会がなかった40~57歳の男性を対象に、免疫があるかどうかを調べる抗体検査を実施し、なかった場合は予防接種を受けられるようにした。(利根川昌紀)

風疹患者 8割は男性…40~57歳 抗体検査促す

  胎児に影響の恐れ

 風疹は、患者のせきなどで飛び散るしぶきを吸い込むことで感染する。2~3週間で発熱や発疹、リンパ節の腫れなどが表れるが、15~30%は症状が出ない。根本的な治療法はない。

 問題なのは、免疫が十分でない妊娠初期の女性がかかると、おなかの赤ちゃんが心臓病や難聴、白内障などになる可能性があることだ。先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる。

 国立感染症研究所(感染研)によると、風疹は2012~13年に大流行し、1万7000人近くの患者が出た。CRSの赤ちゃんも45人生まれ、11人が死亡したと報告されている。

 風疹患者は14年以降、減った。だが、昨年再び増え、約3000人が報告された。今年は、11月24日までに2266人となっている。約8割が男性だ。

 風疹の予防には、ワクチンが有効だ。40~57歳(1962年4月2日~79年4月1日生まれ)の男性は、これまで公的に予防接種を受ける機会がなかった。これらの人たちの抗体保有率は80%ほどで、90%前後あるほかの世代と比べて低い。そこで厚労省は、今春から3年間、対象の男性に対し、採血して行う抗体検査や予防接種を原則無料で受けられるようにした。

 対象者には自治体からクーポン券が配布される。今年度は、40~47歳の約646万人に配られる。来年度は、53歳までの約570万人に配布される予定だ。

 抗体検査は、厚労省の風疹に関するウェブサイトにある医療機関などで受けられる。抗体が不十分だと判定された場合は、ワクチンを接種する。

 40歳代の記者にも今春、クーポン券が郵送で届いた。今秋、検査を受け、1週間後、医療機関に結果を聞きに行くと、基準値を上回っており、予防接種は不要と判断された。実は、2013年に風疹が流行した際、予防接種を受けており、十分な抗体ができたのかもしれない。

  低い受診率

 厚労省は今年度、約330万人が抗体検査を受けると見込んでいる。だが、今年4~9月に受けたのは約87万人にとどまる。抗体が不十分だと分かってワクチンを接種したのは約17万人だった。

 感染研感染症疫学センター第3室の室長、多屋 馨子けいこ さんは「抗体検査の受診率は低い。風疹が今後、国内で流行しないようにするため、もっと多くの男性に抗体検査を受けてもらい、抗体が十分でない人には予防接種を受けてほしい」と呼びかける。

 厚労省は東京五輪・パラリンピックを控え、来年7月までに今回の対象年代の男性の抗体保有率を85%、21年度末までに90%とする目標を掲げている。多屋さんは「予防接種を受けても、ごく一部の人は十分な抗体がつかない。全体的に抗体保有率を高め、CRSの新たな発生をなくすようにしていくことが求められている」と指摘する。

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