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大腸がんはいま(3)抗がん剤で希望つなぐ

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大腸がんはいま(3)抗がん剤で希望つなぐ

現在使っている分子標的薬を手にする山田さん(東京都内で)

 東京都の山田豊さん(60)は2010年、大腸がんが見つかった。肺に転移したがんが取り切れず、15年に余命半年の告知を受けたが、それから4年が過ぎた。

 若い頃、サーフィンに熱中した。当時よく行った千葉県の海に、長男(20)の車で連れて行ってもらうのが今の楽しみだ。家業の建築仕事もできる範囲でする。体調が悪くなければ家族旅行もする。「きっと運が良かったから、まだ生きてられるんだろうね」

 10年の初め、排便時にわずかな出血があった。そのままにしていたら、半年ほどして血の塊のようなものが便と一緒に出た。慌てて検査を受けると、大腸のうち肛門に近い直腸のがんだった。

 肝臓にも転移しており、がん研有明病院(東京都)で同年6月、最もがんが進行した状態の「ステージ4」と説明された。当時、双子の長女と長男は小学5年生。「まだ死ねないんだよ」。手術に臨んだ。

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