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石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」

医療・健康・介護のコラム

「性ホルモン」の勢いで早婚だった熟年世代 つらい時は「永遠の誓い」を思い出して

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人間の「発情期」は第二次性徴期?

 若いときには性ホルモンがバンバン分泌され、男女ともに異性を求めます。多くの動物は、子供が生まれて育つのに適切な季節を目指して交尾をします。一般にこれを発情期と呼びます。人間の場合は、どの季節に出産しても子育ての環境に大きな違いはないので、発情期がなくなったという説もありますが、それでも女性は排卵期にしか妊娠できません。その時に、軽い発情期のようなものがあるのかもしれませんが、それほど顕著ではありません。

 人間にとっては、第二次性徴期の性ホルモンがたくさん分泌される頃が「発情期」なのかもしれません。その時機を逃すと、次第に冷静な目で異性を見るようになっていくので、なかなか適切と思える相手に出会えず、婚期がずるずると遅れるようです。結婚しない理由に「適切な相手がいない」がよく挙げられますが、年齢が増して冷静になればなるほど、適切と思える相手が少なくなります。

性ホルモンに導かれた縁

 今の熟年夫婦には、世の中のプレッシャーもあって、20歳代前半に結婚した方も多いと思います。まさに情熱が勝って、勢いで結婚した時代でしょう。「なんでこんな人を選んでしまったのだろう?」と後悔しても後の祭りです。

 性ホルモンという赤い糸に導かれて、何かの縁で夫婦になったのです。もし、お互いに一緒にいることがつらくなったら、この新年に、結婚式の誓いの言葉を思い出してください。そして、神様や仏様の前で誓った「命ある限り真心を尽くす」ことを、今年も続けていきましょう。(石蔵文信 大阪大学招へい教授)

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石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)

 内科・循環器・性機能専門医。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。大阪市内と都内で男性更年期外来を担当。主な著書に『夫源病』(大阪大学出版会)、『男のええ加減料理』(講談社)、『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』(幻冬舎新書)など。自転車による発電に取り組む「日本原始力発電所協会」代表を務め、男性向けの「ええかげん料理」の教室を各地で開くほか、孫育てに疲れた高齢者がネットで集う「孫育のグチ帳」を開設するなど多彩な活動をしている。ホームページは「男性更年期 夫源病 石蔵文信

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