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インプラントはいい治療だが、危ない歯科医はいる…歯科医をどう選ぶ?
歯を失った時、金属の軸をあごの骨に挿入して根を作り、その上に人工の歯をのせるインプラントは、 噛 みやすくて、見た目も自分の歯と変わらず、優れた治療です。ただ、下あごの神経を傷つけるといった治療上のトラブルがあると、 痺 れが何年も残るような、つらい結果を招きます。きちんとした手順を踏んで検査と治療が行われていれば、そう起こることではありませんが、不幸な結果に至らないためには、どのように歯科医を選べばいいのでしょうか。
インプラントは、骨に金属の根を埋め込む外科治療、普通の歯科とは違う
「インプラント治療では、粘膜の下に人工の根を埋め込むので、粘膜の上で行う虫歯治療や入れ歯、ブリッジとはリスクが違います」と、日本 口腔 インプラント学会理事長の宮崎隆さん(昭和大副学長)は言います。
歯が失われた歯槽骨にドリルで穴を開けて、人工の根になる金属の軸をねじ込んで土台を作ります。木の板に木ねじを入れて物理的な力で固定するのとは異なり、生きている骨が金属のネジと結合していきます。この結合がインプラント治療の肝心なところ。結合が安定するには、下あごで2~3か月、上あごで3~4か月かかります。
ここから先は通常の歯科の治療です。型を取って、人工の歯を作って人工歯根の上に固定し、かみ合わせを調整して完成。歯を1本、2本と失った場合ばかりではなく、すべてなくなっても、歯茎に2~4本の人工の根を埋めて、そこに着脱できる総入れ歯などを固定すれば、ずれずに噛みやすい入れ歯ができます。
「インプラントの優れたところは、あごに根を埋めることで、その上に1本の歯をのせるだけではなく、多様な治療が考えられるところです」と宮崎さんは指摘します。
満足度85%と高いが、高額な治療費には不満も
国民生活センターは今年、歯を失った時の治療として、インプラント、ブリッジ、入れ歯の患者計1400人に満足度などについてインターネットアンケートを実施しました。治療に「満足」「どちらかと言えば満足」の合計が、インプラントは85%に対して、ブリッジは60%、入れ歯は45%でした。インプラントの利点として65%が「よく噛める」と回答、続いて「歯がきれいに見える」「異物感が少ない」が挙がっていました。一方、不満な点は「治療費が高額」が37%と、突出したトップでした。自費診療で通常1本40万~50万円以上ですから、裕福な人のための治療と言わざるを得ません。
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