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乳がん診療の課題(4)ホルモン療法「5~10年」

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乳がん診療の課題(4)ホルモン療法「5~10年」

医療情報サロンで最新の治療方針を確認する浜田さん(広島市民病院で)

 ホルモン療法は5年間――。2011年秋、広島市の看護師浜田かずえさん(51)が受け取った説明文書には、主治医で広島市民病院乳腺外科主任部長の大谷彰一郎さんの字でそう書かれていた。

 浜田さんの乳がんは、女性ホルモンに反応して増殖するタイプ。乳がん患者の7~8割に相当する。手術後に再発予防のため、ホルモン剤の治療をする。浜田さんは、主に閉経前に使う「タモキシフェン」を1日1錠飲み始めた。

 当時、標準の服用期間は5年間。ただ、このタイプは、7、8年後にも再発しやすく、さらに続けた場合の効果を調べる研究が進んでいた。13年、タモキシフェンの服用を5年間でやめるよりも、10年間続けた方が再発が減るという報告が海外で発表された。

 浜田さんは、乳がんの勉強会などで海外の最新事情を知った。手術後5年、大谷さんに、迷わず「あと5年続けたい」と伝えた。

 診断時、がんが皮膚まで広がっており、抗がん剤治療をしてから手術を受けた。しこりに気づいてから受診が遅れたことを悔やみ、「できることは何でもやろう」と決めていた。「私の場合、抗がん剤と違って副作用がほぼなかったことも後押ししました」と話す。

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