文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

ニュース・解説

心不全 細胞スプレー治療…心臓表面に吹き付け

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 重い心不全患者に対し、血流の改善を促す細胞を心臓の表面に吹き付けて心機能改善を図る新しい治療法「細胞スプレー法」を開発したと、大阪大などのチームが29日発表した。今月から2年かけて主に安全性を確認する臨床試験(治験)を行い、5年後の実用化を目指す。

阪大チーム治験開始

心不全 細胞スプレー治療…心臓表面に吹き付け

 治療の対象は、心臓の血管が詰まるなどして機能が低下した「虚血性心筋症」の患者。この病気では、血流が悪い部分に別の血管をつなげるバイパス手術が行われているが、細い血管の血流までは改善できないことが課題だった。

 治験では、ロート製薬(大阪市)が人の脂肪組織から採取した幹細胞を利用。約3億個の細胞を体内で使える接着剤と混ぜ、バイパス手術中に20~30秒間、心臓表面にスプレーする。

 治療は20~80歳の患者3人に試し、手術時にこの手法を用いない同数の患者と比較する。幹細胞は血管再生を促すたんぱく質を分泌するため血流がよくなり、手術の効果が高まるとみられる。

 チームの澤芳樹教授(心臓血管外科)らは、より重症な患者に対し、患者本人の太ももの筋肉細胞から作ったシートを心臓に貼り付ける治療法を実用化し、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用したシートの開発も進めている。

 これらの手法は細胞培養施設が必要で、実施できる医療機関は限られる。細胞スプレー法は、多くの医療機関に導入できるといい、澤教授は記者会見で「簡便な方法で、技術や人、場所を選ばずに行える。手術成績を向上させる方法として普及させたい」と話した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事