文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

健康・ダイエット・エクササイズ

ダイコンとミカンのなます風…かむ力に応じた2品

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 明けましておめでとうございます。在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 お正月といえば、おせち料理にもみられる「紅白なます」。本来は千切りにした生のダイコンとニンジンを塩もみして水気を絞り、甘酢につける料理です。シャキシャキとした食感と、ほど良い酸味がおいしさの 秘訣(ひけつ) ですが、今回は、このシャキシャキの野菜が食べにくくなってきた方に提案できるレシピを二つご紹介します。

 野菜を軟らかくする方法の一つは、ゆでること。ダイコンをゆでて軟らかくして、甘酢に漬けるだけの簡単レシピです。今回のポイントは、やや厚みのあるいちょう切りにすることです。千切りを軟らかくゆでて混ぜると、崩れて刻み食のようになってしまったり、薄いいちょう切りにすると、ペラペラのワカメのように口の中に張り付いてしまいますが、この切り方にすれば、その不安はなくなります。

 また、ゆでずに生のダイコンをおろすことでも食べやすくなります。そのままでは、ざらつきが気になるダイコンおろしも、介護用のとろみ材を使用すると口の中でのまとまりや食感が良くなります。

 これなら生のダイコンなますを刻むよりも見た目もよく、思わず「食べてみようかな」という気持ちにしてくれるかもしれません。

[作り方]

(1) ダイコンは皮をむき、3mmの厚さのいちょう切りにする。水から10分くらいゆで、軟らかくする(ゆで時間はお好みで調整する)。ゆで上がったら、ざるにあげて水気を切る。

(2) (A)の材料を混ぜ合わせ、電子レンジ(500W)で1分程度加熱し、酸味を飛ばす。

(3) (2)の甘酢をポリ袋に入れ、しっかり水気を切った(1)を入れて全体に甘酢が浸るようにして袋の口を結ぶ。

(4) 3時間程度おき、味がなじんだらミカン缶を入れ、軽く混ぜ合わせる。器に盛り付けてできあがり。

〈より軟らかい形〉

(1) ダイコンは皮をむき、すりおろして水分を切る

(2) (A)の材料を混ぜ合わせ、電子レンジ(500W)で1分程度加熱し、酸味を飛ばす。

(3) しっかり水気を切った(1)に(2)の甘酢を入れよく混ぜる。3~4等分にカットしたミカン缶も加えて混ぜる。介護用のとろみ材(分量外)をひとつまみ~2つまみ加え、混ぜて5分程度放置する。とろみ材を加えることで離水を抑え、口当たりもよくなる。

※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。

(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ito3

伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」の一覧を見る

最新記事