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本田秀夫「子どものココロ」

コラム

女子に10代からの発症多い「神経性やせ症」…活発に見えても極度の低栄養 放置すると命の危険も

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 中学1年生のOさんは、真面目でやや控えめな性格の女の子です。夏休み明け、久しぶりに会ったクラスメートに「ちょっと太ったんじゃない?」と言われてから、体形をすごく気にするようになりました。その後、Oさんは太ることを気にして、食事をあまり食べなくなりました。食事の量が減ったことに家族も気づいていましたが、「そんな年頃になったからしかたない」とあまり気にしていませんでした。しかし、それから4か月ほどの間に体重が大幅に減少し、見るからにやせが目立ってきたため、心配した家族が本人を説得し、病院を受診しました。

女子に10代からの発症多い「神経性やせ症」…活発に見えても極度の低栄養 放置すると命の危険も

イラスト:高橋まや

やせ症から過食症に移行するケースも

 体形を気にして、食事の取り方がおかしくなってしまう「摂食障害」という病気があります。食事量が減り、急激に体重が減少する「神経性やせ症」と、逆に、極端に大食いし、その直後に食べたものを全部吐いたり、下剤を使ったりして、体重増加を避けようとするなどの行動がみられる「神経性過食症」という二つの病気に分けられます。

 どちらも、患者の9割を女性が占めると言われています。神経性やせ症は10代、神経性過食症は20代で発症することが多く、最初は神経性やせ症から始まり、後に神経性過食症に移行していく場合もあります。

根底には自尊心の低下が

 神経性やせ症は、早ければ、小学校高学年頃に発症することもあります。最近は、中学生までに発症するケースが増えてきています。最初はダイエットがうまくいき、体重が減るので、達成感が得られ、どんどんダイエットがエスカレートします。時々、衝動的に大量に食べ、すぐに吐くという行動がみられる場合もあります。やせてきても活発に動くことが多いのですが、実際には極度の低栄養状態となっていて、血圧低下、心拍数低下、低体温、無月経、脱水、貧血、内臓の異常など、体に深刻な変化が起こります。このため、放っておくと、死に至る危険もあります。

 やせている状態が続くと、うつや不安が強くなってきます。根底に自尊心の低下が存在することが多く、「やせることによって自尊心を保とう」と強くこだわってしまいます。本人は「まだ太っている」「もっとやせなければ」と思っているため、周囲の人たちが心配し、忠告や助言をしても、かえって反発して関係が悪化しがちです。体力低下に伴い、日常生活がうまくできなくなり、勉強にも集中できなくなってきます。

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本田秀夫(ほんだ・ひでお)

 1964年、大阪府豊中市生まれ。精神科医。信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授。同学部付属病院子どものこころ診療部長。日本自閉症協会理事。著書に「自閉症スペクトラム」など。

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1件 のコメント

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失敗や異常を叩く日本の文化との付き合い

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

SNSでの非難、批判も集中砲火を浴びると面白いものです。 かりそめでも匿名になると攻撃性が増すというのは、人間の本性がその程度のものだという証拠...

SNSでの非難、批判も集中砲火を浴びると面白いものです。
かりそめでも匿名になると攻撃性が増すというのは、人間の本性がその程度のものだという証拠です。
実際、100年以上前は欧米の歴史はずっと血塗られてきましたし、太平洋戦争もありました。
残念ながら暴力性や戦争は人間の本性の一つです。

さて、面白い、というのは一晩おいて、角度を変えて分析すると面白いだけで、そういう知識や知恵、メンタルタフネスというのは経験や学習の賜物であって、小さな子供に求められるものではありません。
改めて、イジメがエスカレートしないようにするシステムの考案と共に、多様な価値観の持ち方とか言い返し方、逃げ方などを模索する実習も大事でしょう。

真実より好き嫌いや気分、わかりやすいものを優先する人間は普通であって、そういう個人や社会との付き合い方は核家族化や個人主義社会、スマホ社会の進行の影響で育ちにくくなっているので、代わりのものが必要です。

日本でちょっとデブとか肥満と言っても、欧米の凄い人に比べたら誤差範囲です。
また、肥満は正義でも悪でもなく。状態であって、付き合い方は人それぞれです。
様々な臓器の成長の加減もあるので、成長期には多少太ってから絞るのが良いんじゃないかと思います。

少なくとも30歳くらいまでは、未熟さと大きな変化の連続の中でちょっと心身に不安定なのが普通なので、その中で、一人でも多くの人間が壊れないような仕組みやユーモアを考えていく必要があります。
真面目過ぎてうまく行かないなら、時には不真面目もいいはずなので。

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