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宋美玄のわーままクリニック

医療・健康・介護のコラム

大阪の百貨店スタッフ「生理中バッジ」着用に批判集中 「オープンに語る」ってどういうこと?

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「隠すべきもの」「忌むべきもの」ではないが

 確かに、生理は「隠すべきはしたないもの」や「忌むべきもの」ではありません。しかし、そういう風潮を変えたいのであれば、生理に関することを堂々と語ればいいのであって、生理中かどうかというプライバシーを開示しあう必要はないと思います。

 私は多くの企業や学校、イベントなどで、生理や女性の健康について講演をしてきました。私が接した女性には、生理について「医学的なことをもっと知りたい」「つらいことをわかってほしい」「不調を解決したい」と考えている人が多くいましたが、「生理中であることをリアルタイムに公にしたい」という人には出会った記憶がありません。企画された方には、生理ブームの今、「オープンに語る」とはどういうことを指すのか、もう一度、考えていただきたいです。

「オープンに語る」がゴールではない

 ちなみに、産婦人科医として多くの女性の健康に関与し、自分自身も生理の当事者として生きてきた私にとって、「オープンに語る」ことはゴールではありません。現状では、多くの女性が生理に振り回されていると思いますが、コントロールする方法がいろいろあるということが常識となり、一人一人が自分で選択できるようになることがゴールだと思います。つらい時は、「分かってほしい」だけではなく、「何とかしたい」と思って産婦人科を受診していただきたいです。(宋美玄 産婦人科医)

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。
1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。 詳しくは宋美玄オフィシャルサイト

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1件 のコメント

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ネガティブな情報を肯定的に受け止めて改善

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

難しい問題ですね。 SNSでベビーカーのお母さんに電車の席を譲りません論争が勃発してますが、似ています。 新しいことを始めれば、必ずエラーは起こ...

難しい問題ですね。
SNSでベビーカーのお母さんに電車の席を譲りません論争が勃発してますが、似ています。
新しいことを始めれば、必ずエラーは起こりますが、それをヒントに社会を前進させることができるのではないかと思います。
小さなミスを叩いて旧時代に戻すのではなく、どうやったら、それが社会を幸せにできるのか考えないといけません。

さて、ポジティブな意見はどこから生まれるでしょうか?
実はネガティブな情報や考えから生まれます。
先生の大好きな阪神タイガースを優勝させたのは故・星野仙一さんですが、下準備をしたのは心配性な野村克也さんですね。
楽天でも同じ組み合わせでした。

ベビーカーと座席の問題は個人が譲る譲らないではなく、乗車率の軽減や働き方の意識と個々人の心のゆとりの改善がもっと根本の解決策です。
なので、列車の連結数やフォームの拡張、二階建て列車、通勤時間の自由度の認可など、政府が介入できる余地は沢山ありますね。
改善した企業に、軽減税率でも許せば、社会も政府も国民も三方よしです。

私事ですが、出しどころがなかった産科出血のデバイスも、知人が引き取りたいということで、真面目な産科の先生のお役に立てそうで、何よりです。
普通の目線ではないことが否定されない時代になる事を望みます。
みんな同じインフラにのっかって生きて居る日本人と地球人ですから。

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