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医療・健康・介護のコラム

『老人の美学』 筒井康隆著

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『老人の美学』 筒井康隆著

 人気作家にして俳優でもある筒井康隆氏が、85歳という年齢を迎えて、お年寄り(筒井氏は老人という言葉をあえて使う)の生き方指南という形で、自らの体験などから、あるべきライフスタイル、終活などについて著したのが本書だ。

 「美しい老後は伴侶との融和にあり」「老人が死を美的に迎え入れる方法」を始めとする12章などからなる本書は、「老化によって、言動、言説など生活態度や見た目や立ち居振る舞いがみっともなくなることを避ける、実際的な知恵を書いている」と自ら記すように、目をそらしたくなるようなお年寄りの事例も具体的に挙げつつ、いかにして身ぎれいに自らを処するか、について 縷々(るる) 述べている。

 筒井氏は、「老後の暇つぶしに困っている人は、自分史を書いてはどうかと何度かエッセイで提案している」と書く。「プロの小説家である小生にも書けないことがある。それは例えばこれを読んでいる読者の一人一人の人生についてである。ありきたりの人生、ありきたりの職業というものはなく、ひとつひとつがその人固有の人生であり職業であった (はず) である。作家だって、いざ自分史を書けばひとりの作家の自分史ができるだけの話だ」と続ける。

 本書の帯いわく「最初で最後、最強の人生論!」だそうだ。筒井氏の勧めに従って、読者の皆様も自分史を手掛けてみてはいかがだろうか。

 (新潮新書 700円税別)

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