医療大全
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群大 改革に挑む(1)「白い巨塔」が様変わり
入院中、いつも朝が楽しみだった。
前橋市の田中加津江さん(89)は、群馬大学病院に入院した昨年10月から1か月半ほどの間、肝胆 膵 外科教授・ 調憲 さんの回診を心待ちにしていた。
「話しかけられると、なぜだかほっとしました」
10年ほど前にも別の病気で入院したことがある田中さんは、病院の変化に驚いてもいる。当時の教授回診といえば、触れが回ると、横になっている患者も身を起こしてかしこまり、苦痛に感じることもあった。
「『白い巨塔』みたい」。大学病院を舞台にした小説を思い出した。教授が部下を引き連れて患者を巡回する回診は一般に、権威的な大学病院のイメージがある。調さんは患者の体調に合わせ、具合の悪い人には自分が姿勢を低くして声をかけ、「患者を思いやる温かみが伝わってきた」という。
田中さんは「群大は前と全然違います」と話す。
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