街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
発達障害の人と共に働くには、どんな配慮が必要?
「何に困っているか」を知る
発達障害は、同じ人に複数の症状があったり、同じような困難があっても原因は違ったりと、個人差が大きいのが特徴です。
例えば、いつも仕事に関する指示がうまく理解できず、何度も質問しに来たり、仕事の出来が不十分だったりすることが多々ある人がいたとします。それは、指示の内容が理解できていないからかもしれませんし、長い時間集中していられず、途中から上の空で聞いていることが原因かもしれません。あるいは、周囲の雑音や目に入ってくる情報が気になり、相手の話に集中できていないことも考えられます。
このように、発達障害は、その人の行動を障害の種類で分類して、対応方法を見いだすことは難しいとされています。大切なことは、その人がどんなことで困っていて、何が苦手なのかに気づき、どうしたら解決できるのかを考えることです。
言葉での理解が難しいとわかれば、簡潔に書いたメモも使って説明し、所々で質問をして理解度を確認する。長い時間集中して聞くことが難しいようなら、一度に複数の事柄を説明するのは避け、一つの話題を短時間で簡潔に説明するようにする。周囲の状況が気になる様子であれば、集中できるように、周囲の音が聞こえない環境や余計な視覚情報がない環境を設けて話す。そうした工夫をすることで、コミュニケーションがうまくいくかもしれません。
また、できないことに目を向けるのではなく、得意なことに目を向けると、その人の可能性や魅力を発見する機会へとつながります。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。
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