伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」
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みんなでおいしいミートローフ…楽しく華やかにクリスマスメニューにも
こんにちは、在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。
ミートローフはアメリカで古くから食べられている定番の家庭料理です。ハンバーグと作り方はほとんど変わりませんが、ハンバーグは一つずつ成形して焼くのに対し、ミートローフは型などに入れ、オーブンで一度に焼き上げる、という違いがあります。
こうした、ひき肉を利用し、食べやすそうに思える料理も、中に入っているタマネギのみじん切りが大きくて硬かったり、こね方が不十分だったり、表面をこんがりと焼きあげていたりすると、いずれも食べにくさにつながることがあります。
タマネギのシャキシャキ感、口の中でほろりと崩れるひき肉の食感、表面の香ばしさ、どれも“健康な口”にとっては、おいしく感じられるものです。介護食作りは「食べてもらう相手の“口”の状態を想像すること」も必要な要素です。
今回は、つなぎに豆腐と卵、パン粉を加えることで、加熱したときのばらつきを抑え、さらに蒸すことで表面が硬くなることを防ぎます。
ちょっとしたコツで、見た目も華やかに、みんなが楽しめるクリスマスメニューを作ってみてはいかがでしょうか。
[作り方]
(1) 豆腐は水切りせずにボウルなどに入れ、手でほぐし、パン粉を加え、ふやかす。市販のカボチャの煮物は、皮を取り除いて5mm角に切る。(A)の調味料を合わせておく。
(2) (1)の豆腐と、ざく切りしたタマネギとニンジン、ひき肉、卵、塩、コショウをフードプロセッサーに入れて滑らかになるまでよく混ぜる。
(3) (2)の生地をアルミホイルに広げ、(1)のカボチャをパラパラと散らすようにのせる。生地を直径5cm程度の円柱形に整え、ホイルの両端をキュッと絞る(生地が緩いので円柱状にならない場合はパウンドケーキの型などで代用してもよい。その際はアルミホイルでしっかりと蓋をする)。
(4) (3)を耐熱皿にのせる。フライパンに2cm程度の湯を沸かし、そこに先の耐熱皿を置き、フライパンに蓋をする。弱い沸騰が続く火加減(弱火~中火)で約15分加熱して蒸す。耐熱皿の中身に竹串などを刺し、中から透明の肉汁が出てくるようになっていればできあがり。
(5) アルミホイルにくるんだまま粗熱をとり、生地が落ち着いてから切り分ける。
(6) (1)で作ったソースを(5)にかけてできあがり。ブロッコリーやニンジンなどを添えるとさらに彩りがよくなる。
※フードプロセッサーがない場合は、タマネギとニンジンはすりおろす。ひき肉と塩、コショウをしっかり練り上げてから、そのほかの材料を加えてよく混ぜると滑らかになります。
※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。
(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)
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